■ 京丹波・地蔵杉
・・・・2021年06月26日
2021.6.27

仏主への道から大野ダム、別名はレインボーレイク、畑の中の真っ直ぐな道を走ると美山町三埜地区、立派な道があるにも拘らず、Googleナビでは畑に誘導された。参考程度に考えないと、何処に誘導されるか分から無い。広い道を集落奥に向って走ると近畿自然歩道の道標がある。道標に従い、西に長老ヶ岳に続く尾根がそそり立ち、谷川を境に左右に家が散在する集落最奥部に着いた。川の中には大きな岩がゴロゴロ、川に近い辺りの耕作地は重機が入ったらしい様子が残り、大雨被害の爪痕だと思われる。

道はまだ、集落を越え山の間に続いている。近くの方に、登山口の在り処をお聞きしたいのだが、草刈り機の爆音の中の方には声が届かない。已む無く、傾斜の増した道を走り、集落を抜けたところに簡易水道の施設があった。車1台程度でご迷惑になる様な事も無い位に広い入口、車を止めて歩き出したところに自然歩道の道標、長老ヶ岳へのルート分岐は目の前にあった。

谷間に消える道と別れてコンクリートの道を歩くと左側斜面は伐採の跡、ずっと上に見える標識らしきものは何だろう?、長老ヶ岳から東に伸びる尾根に乗る辺りであるから、恐らくは別のルートに違い無い。そのルートを、軽快に走る鹿が1頭、谷底のハイカーを見下ろして一言発した。何を言ったやら

曇り勝ちとはいえ、鹿は明るい尾根の上、こちらは暗い植林地の道、滲み出た水で泥濘んでいる。山ビルチェックを怠りなく、滑る道を辿ると二俣に出て、標識の指すのは谷川に沿う右の踏み跡、石ゴロゴロの歩き辛いコース、橋を渡った左側にも良い道が登っている。左の道を歩きたい!、と声を大にして云いたいのだ。既に過去のものとなった崩れた道を辿って二俣に着いた。見れば、谷の左側からも崩れ無い道が続いている。時には、我儘を通してみても良いかもしれない、そんな見本の様な道である。

ルートの先に、太い栃ノ木が2本、上の方の木は2本が合体したようにも見えながら、大きさは相当なものだ。谷のどん詰まりから本格的な古道らしい途、山腹を一杯に使ったつづら折れの途が続く。途にはヤマアカガエルの小さいのが多い、不思議にこの辺りのカエルは直に逃げない。天敵が少ない?

急斜面の左上には岩稜帯が見え、着いた尾根上の樹林の回廊、冷たい風で汗が飛ぶ。分水嶺の尾根に乗ると、長老ヶ岳から声が漏れる。薄陽の指す岩場で小休止、眼下に広がる美山町、右手は長老さんのピーク辺り、左手の一際高いピークは目指す「地蔵杉」だろうか、南側稜線のガレが目立つ。何度も歩きながらも仏主峠は未だ見ていない。北に進路を変えて、峠らしい場所は特定した。樹林越しに舗装道路の見える位置で、消えかかった文字ではあるが「和知山の家」の標識があった。

「地蔵杉」へは未だ未だ遠い、エネルギー補給で小休止、酷く寒いので温度計をみると15℃。地蔵杉を往復する時間に余裕はほぼ無い。綺麗な樹林の回廊を見ながら、別のルートで再挑戦したほうが無難そう。今日はこれでおしまいにして、来たルートを忠実にピストン。谷からは歩き易い道を降り、登山口辺りの伐採地では、朝と同様、1頭の鹿が見下ろしていた。やっぱり一言、何か言いたい事があるらしい。


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