■ 京丹波・美女山
・・・・2021年06月20日
2021.6.20

丹波の方に、「美女山」などと云うお山がある。謂れなどを拝見すると、諸説あって本当のところは不明である。不明ではあるが「美女山」と云うのは魅力的な名前に違い無い。そんな訳で、お山への最短ルートである道の駅を訪ねて縦貫道の道の駅に車を止めた。目の前に、大輪の白い花を咲かせるナツツバキ、が、美しいナツツバキはあったが美女山は北東の空に聳え、ここから歩くとかなり遠い。

改めて付近の道の駅を探してみると道の駅丹波マーケスと云うのが最も近い。マーケスの東側の川を挟んで山腹を見せるのが美女山、川に架かる黒尾橋付近に登山口があると云う。ちょっとだけウロウロしながら、黒尾橋の袂に立つ登山口の標識を確認した。雨上がりとは云いながら、あまり気持ちの良い登山口では無い。山ビルはいないよな〜

少ない植林地をわざわざ選んで登るのは藪が無いから?、といいつつ植林地の先は藪っぽい荒れた途が急斜面に続いている。小さな谷に貼り付く様に登るので風が無い、熱い!。左手には明るい林が見えるのに途は暗い急斜面ばかりを選んで続く。低い山だから直にピーク、と慰めながら暗い途を右へ登って左に登って。美女山は厳しい〜

やっと明るい岩場に着くと「展望所」の看板がある。わざわざこんな場所を展望所などとする真意は、他に展望が無い事の慰め?。まあここは堪えて小休止、上はやや明るさもある広葉樹、上には上の趣があるだろう。これより山腹を右に巻くルートを進み、山頂大地に乗ったところで最南端ルート出合いに道標があった。

山頂大地は至って快調、欲を云えば明るさが欲しい、「もっと灯りを!」。10分ほど歩くと立派な山頂、東西の景色も克く明るい。風に吹かれて大休止、小鳥の囀りが木霊する山頂は寒かった。温度計は15℃である。西の山腹の松は枯れていて、その下を辿ると大園寺に降りられる。東の山腹の松は青々として、続く若葉の樹林に元気がある。もう少し尾根を歩いてみよう。尾根の先には山城跡もあると云うし、近頃は光秀縁の場所が多い。

充分に堪能した美女山山頂から、東に続く尾根に踏み込むと克く踏まれた途が残る。登山道どころか、ずっと昔から続く古道の類で、土の流出箇所などでは踏み跡ばかりが残っている道である。考えてみれば、国道9号は峠越えのトンネル道、他に太い道はなさそうだし、そうした道の無い昔は、この尾根道が主要道だった、と思う。

関電の巡視路と出合って直ぐ鉄塔があった。途中には北側と南側の集落に降る途も整備されていた。が、城などは何処にも無い。如何にも峠らしい鞍部に降ると池があった。ここは志和賀峠で、古道はここから山を越える。今日は越えた先の熊崎峠から黒い点線の道を降って市森集落に降る予定、古城のあるお山はその先らしい。古城が無いならここから市森に降っても同じ事だ。幸い古い道型は残っている。

道型はあっても、鹿と猪の足跡しか見ない谷間の道は泥濘と倒木で容易には降れない。斜度が緩むところで点線で記された熊崎峠からの道と出会う。やはり地理院地図の点線ルートは酷かった。市森集落の最奥からマーケスまでの約2km、谷間に拡がる田園風景、美女山への登山口が3ヶ所、高速道路のロードノイズが今少し優しければ、もっと呑気な散策が出来た。テイカカズラの花は、トモエシオガマの様に巻いている。


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