■ 伊吹山地・ブンゲン(射能山)
・・・・2021年06月12日
2021.6.13

奥伊吹スキー場の空、今にも崩れそうで時には陽射しも洩れたり、それにもまして、広い駐車場を使ったレース紛いの走行であがるタイヤの悲鳴が耳障りだ。登山口が見つからない場合、広くて暑くてけっこうな勾配のあるゲレンデを、額に汗してひたすら登り詰め周回するルートが残る。広いスキー場に木霊する車の爆音とタイヤの悲鳴、そしてだるい身体。

それほどもなさそうな勾配が応えて、だるい。見るものが何も無い。春先の雪解けに合わせて、花の種でも撒いておけば、一面のお花畑が見られる広大な谷間が出来る。そうした構想の一つも無いのが悲しいのだ。車の悲鳴よりよほど平和で大衆に受けるだろうに。やっと峠、と回りこんだところがゲレンデはなおも続く。

県境尾根辺りの設備は荒廃が酷く見捨てられた様子、バックの展望所のあるピークは「品又山」の名があり標高は1045、北側に回りこんだところで岐阜側の林道に出て、「品又峠」の由来などを記した錆びた表示板が残っていた。

折角だから少しだけ林道を歩いて、尾根の鞍部まで戻った処から舗装道路が降っている。行っても見たいがそれではブンゲンが遠い。鞍部を覗くと踏み跡が残る、恐らく旧峠道はここだろう。少し登るとスキー場に戻り、気の進まない崩壊の進むザレ場を南に登ると激しい水音などの響く尾根上の平坦地。鹿の痕跡が少しだけ控え目なら極上の安息地の一つだ。

ここから登ったり少しだけ降ったりして着いたところがスキー場の最高所、ここから降ると酷い傾斜地が待っている。ピークの背後に続く笹と灌木の中の踏み跡からは美濃方面の展望が拓ける。合わせた様に青空が広がり、ひんやりとした風と暑い陽射しの中の尾根歩き、3つほどピークを越えてブンゲン、またの名は射能山の狭いピークに着いた。ピークと云えるほどの高みではなく尾根の途中の休息場所といった風情、四方に展望があるのが良い。夏鳥の囀りを聞きながらエネルギー補給、東側に見える都市はどこだろう?。

去り難いピークを西に降ると直ぐ、伊吹北尾根に続くルートを分ける。暫く笹藪の中を歩くとブナ林が現れ、概ね快適なルートであった。ピーク辺りの笹原には枯葉色が目立ち、他と同様、何れは枯れる様な事になるらしい。途中、立木に書かれた赤い矢印や頻繁なテープであらぬ方向へ誘導するところがあった。あれは何だったのか?、テープには滋賀県森林組合と記されていた。


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