■ 多紀アルプス・鍔市ダム〜小金ヶ岳
・・・・2021年05月29日
2021.5.30

御嶽・小金ヶ岳は随分歩いた、その度に「鍔市ダム」という看板を見ながら、ただ見過ごしにした。こんな小さな小川の流れる里山のダムは想像に難くない、と考えていたのだ。先日、雨石山を歩いた序でに、残る48滝から西のエリアを調べてみると、「鍔市ダム」は大きく、ここを拠点に小倉タワを経て小金ヶ岳までの周回が可能である事を知った。

これは早速行ってみよう、幸いな事に梅雨の中休みで天気も良い。火打岩(この地名はこの辺りに産する岩石に由来するのか?)から右に折れて鍔市ダムサイト、「鍔」については長らく「鰐」と勘違いしていた、若干水は少なめだが、冬場の藤岡ダムよりは多めの水を湛えた立派なダムである。最奥にはトイレ・湧水を利用した水場まであり、テントなどを持込む人も多数、ハイクの方は他に無い。水場の傍のクリンソウは終わったばかりでヒカゲツツジは1月も前の事、古道利用の登山道の踏み跡も古い。

谷川に沿った道を暫く歩くと道が分かれる。畑山方面に歩けば小金ヶ岳、谷川に沿って歩けば小倉タワ(峠)に出る。小金ヶ岳は克く知っているから小倉タワから始めよう。青空の覗く水辺の道は貴重である。咲き残りのクリンソウ、エゴノキは今が盛りで、ウツギは咲き始め、サワフタギなどは未だ蕾だ。

沢が消え、ちょっと登ると小倉タワ、降った先はやや荒れ気味で、左右の尾根には階段がある、いずれもここから高度を稼ぐ。階段は終わっても一向に緩まない斜度、等高線の間隔は広めだが歩く斜面はかなり厳しい。そうはいっても150mばかり、直ぐに尾根道に変わり、馬酔木の林からツツジ科の林に変わると明るい尾根歩き、岩場が多いかと思うと立派な巻道があって歩き易い。

サラサドウダン・ベニドウの下を潜って鍔市ダムが見えなくなると御岳が見えて来る。怪しい黒雲の広がった空は再び快晴、風の抜ける岩場の前でエネルギー補給。予想した厳しいアップダウンも少なく、ツツドリの鳴き声の響く若葉の中を上り詰め、あっけなく、3人のハイカーが寛ぐ小金ヶ岳のピークに出た。飛び出たツツジの穴も小さいし穴の位置も予想外。

畑山との肩までのルートは度々変わった過去があり、今のルートはほぼ岩場を直線に辿るコース、踏み跡の多さから見て当分はこのコースが続くと見た。肩まで降ったところで表示版を見ると、鍔市ダムの表示が無い。以前は、ダムまでの道は廃道とあった。当然、再整備された道があるものだと考えていたが間違いである。歩き出した直後の踏み跡は薄く道型は不明瞭、暫く歩くと手入れの良い人工林に変わり、同時に道型も確りしてくる。

谷川に沿って降るとダムに続く道に出て、車の増えた、テントの増えたダムの上流部を見ながらトイレの前、裏の林や道の横にもテントが列ぶ。幾分不安な空模様ではあるが、近畿北部の降水確率は10〜20%である。


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