■ 多紀アルプス・雨石山
・・・・2021年05月23日
2021.5.23

今日のコースは今でも克く理解出来ていない、大いに迷ったお山であった。先ずは、雨石山の登山口が見つからず、迷い込んだところが小倉集落の小さな神社の前、作業着姿の男性を見つけて、雨石山への途を訪ねると、集落右側の谷川に沿った辺りにあると仰有る。車もそのままで良いとの事、身支度の間に別の男性が現れ、左に歩いて小さな峠から登るのが良いと云い、駐車の許可を頂いた男性も同意された。何れにしても、目の前に展開する山波に違い無く、御礼を云って、直ぐ先の左に折れる道を取った。お二人は夏草の掃除を始めた。

道脇にアザミなどが生い茂り、お二人には申し訳ないが、梅雨の合間の晴天のような光景は気分が良い。防獣柵を越えると暗くてジメジメした道になった。噂こそは耳にしなくても、鹿のいる環境ではヤマビルにご用心、出血サービスはしたくないのだ。小尾根を切り拓いた小さな峠がある。この先は小野集落で、切り拓きを抜けたところで尾根に登る途がある。

古道らしい途は明瞭で、細い木が中心の尾根は明るい。少し歩くと小野からの途と出会い、鉄塔を過ぎると展望が拓ける。ツツジの類の多い岩尾根で、例年なら未だ満開の花も残る時期、残念ながら今日は、ところどころに咲き残りのモチツツジを見る程度である。旨く作られた途を辿って尾根に出て、大きな岩場を巻く途、巡視道?、他に途は無くこれを辿ると伐採された明るいピーク、北側からの登山道出合い。この辺りで既に何処を歩いていたのか克く分かっていない。

暑いくらいの尾根には、雨石山右、の表示がある。どうも、方向から云えば戻るような事になる、が表示は見たところやはり右、右には岩尾根に続く踏み跡も残る。不可解?、とは思いながら歩く岩尾根、少し歩くと岩場に出て、これを抜けると花期を過ぎたヒカゲツツジの群落、ルートは狭いトンネル状態、固い身体には実に堪える。

明るい岩のピークに飛び出ると「岩尾峰」の表示版、そのまま形容しただけかな?、背後の松が特徴である。ここで地図を見て、やっぱりおかしい、雨石山は先のピークではないか?、と結論したから戻るしかない。小倉集落から登ったところで巻いた岩場が岩尾峰なら、雨石山は尾根右方向になる。と云う事で一旦戻り、見回しても雨石山らしいものは無く鉄塔の先に踏み跡は無い。やはり表示版の示す方向以外に途は無い。

行って来た尾根を再び、岩尾峰を越え次の岩場を抜けると左に人工林、小さな起伏を越えると変哲の無い「雨石山」ピーク、殆どフラットな山頂であった。周回する積もりであるから、県境に降る予定で踏み跡を辿る。やがて斜度が厳しい。着地予定の林道へは、少々の誤差は問題無し、と判断して、とかく降りやすいところを選んで何とか林道に降りた。家並みも見えて来たし、後はぶらぶら集落を見物しながら、近いルートで車に戻ろう、で、地図。

え〜!、ここは小野集落だ。地道を歩くととんでも無く遠い。戻るべき集落、小倉は、降って来た尾根を越え、谷筋の道を降った、山のあっちの集落であった。へなへな〜、としている訳にもいかず、先ずはエネルギー補給を済ませ、地図の黒い点線ルートに沿って登り返す。地理院の黒い点線ルートは殆ど廃道で、役に立った事はあまり無い。

近頃の林道を辿ってとりあえず尾根まで登り、古道らしい跡を見つけて尾根の鞍部まで。そこに「小野峠」の表示と雨石山からの降りルートらしい踏み跡を発見、水の出て来た谷を降り、崩れた林道を辿って陽射しの厳しい小倉集落に辿り着いた。車の後方に座るおばあちゃん、どうも朝の男性に頼まれて待っていたらしい様子で、遅いので心配されていたようだ、申し訳ない事をしてしまった。鉄塔があった事で、伐採された尾根の位置は、確かに岩尾峰の西側になる。が、小倉から登って辿り着いた位置はどこだったか、巻いた大岩は岩尾峰では無かったのか、やはり疑問は残っている。


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