■ 鈴鹿・愛知川
・・・・2021年03月27日
2021.3.28

この数年、山深い鈴鹿の奥地のお金さんにはご無沙汰をしてしまった。人に会うための移動は厳禁でも、お金さんはれっきとした神様・仏様に属するお方、よもや新型コロナを恐れるお方では無い。永源寺ダムの辺りは道幅が広く、走り易くはなったが未だ狭い区間が多く、大型トラックなどとの対向は気を遣う。立派なトンネルを作るかたわら道整備も進めるべきであった。

そんな国道を抜けた杠葉尾のキャンプ場、早朝にもかかわらずテントが並び、銚子ヶ口岳登山口の駐車地に並ぶ10台ほどの車、これも新コロの影響力だろうか?。愛知川林道の入口を過ぎ、国道横の駐車地に着くと空き地が無い。道端に溢れる車を見て、何処に止めよう?。林道の入口辺りに何とかねじ込んでやろうと閉鎖扉の前に移動、見れば扉は開いている。4月28日まで期間限定の解放だとか、これで奥まで車が入る、有難い。

発電所の前を過ぎたところで車を捨てた。歩いても楽しい季節、通り過ぎるだけでは勿体ない。歩き出した立派な林道の周辺のお山に白髪が点々、コブシが開きはじめたところだ。路傍の花と云えばスミレばかり、御池や霊山あたりはフクジュソウツアーが押し寄せているだろう。僅かに、崖のところどころにショウジョウバカマが残っている。鹿の気配は何処にも無い。

正面に鈴鹿の主稜線が見える辺りは高度もあり、遥か下方を流れる愛知川を見てゾクゾク、センコウ谷に続く赤坂谷辺りを見て懐かしい。登り勾配の道で汗が滲み、温度計を見ると10℃ばかり、それほど温かい訳では無い中でも釣り師の方々の車はポツポツ。白滝谷への下降ルートを進むと踏み跡が薄い。近頃の痕跡の無いところを見ると、出水による崩壊などで通行困難な場所がある?、ま、行けるところまででも良かろう。

落葉の踏み跡を登って降って、愛知川の川面に出て小休止、綺麗な水に明るい川岸、光に溢れた光景ではあるが水の流れが気にかかる。水が多いと白滝谷出合いの渡渉が難しい。水中の岩はよく滑って、これは素足での渡渉が必要かも。登山道に戻ってやはり厳しいアップダウン、お助けロープは古く、これは廃道か?。川岸から灌木帯に入ったところで前を塞ぐテープがある。テープの右に、歩いた事の無い新しい道が延びる。

白滝谷出合いは直ぐ目の前、新しい巻道か?、少し辿ったところで方向が違う。白滝谷方面からくるとこの道は、林道または瀬戸峠方面に向って延びる事になる。旧来の道に踏み跡が無かったのは、この道が出来たから?、と云う事で、帰りは此方を辿ってみよう。

少しだけ踏み跡が増えたようにも見える道を辿って白滝谷出合い、思ったように水量は多く、見渡しても靴で渡れそうなルートが無い。下手に滑って、痛い思いで水に落ちるよりは素足が良い。諦めてスパッツを脱ぎ靴を脱ぎ、膝上までで大丈夫かな?、と思いながらもいざ水の中。6月の渡渉は股下までの水嵩であった。

足裏と同時に、水に入ると脚が痛い、切れるほどの冷たさだ。悲鳴と同時に水から逃れ、雪解け水は半端では無いのだ。手を浸しても数秒が限界、あっさり渡渉を辞めて、お金さんにはここからの挨拶で勘弁して貰おう。引き返して例の分岐を新道へ、それほども新しくは無いが始めてだから新道である、を登るとお若い2人組が降って来た。「大きな岩はありませんか?」と聞いてくるので、直ぐ先には崖がある、と応えると岩登りでは無いと云う。近頃流行りだした河原の大岩などを上るアクティビティらしい。

源流域であるから大岩なら河原にゴロゴロしてはいる、が上る目的で眺めた事は無いので、河原に有るよ、と云うと楽しそうに降って行った。そういえばお互い、マスク無しだったな〜。新道はジュルミチ谷を巻いて長々と山腹に続くルートで、川面を見ながらの旧道の方が数倍良い道であった。林道に出ると午後の谷風が物凄い。気温は13℃ほどだが風の中は寒かった。杠葉尾のテントサイトは、明日は雨だと云うのに満員御礼、あ〜、春休みだったな。


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