■ 多紀アルプス・御嶽
・・・・2021年02月21日
2021.2.21

先週に続いて、今週の週末も温かく、今週の寒波で積もった雪は、今日あたりには消えるだろう。絵に描いたような三寒四温で火打岩の橋の傍の梅の花も咲き出した。覗き込んだ川にお魚の姿は無くとも、川の土手には萌えいずる春の草、あと何度かの寒波の後には春が来る。と、云いながら、ウィンドブレーカを着ない上半身は温かく、なんぼ何でもやや過ぎた暖かさ、加えて山の端に架かる春霞は、西の方から飛来した微粒子の類いか杉の花粉か。

春には沢山のフキノウトウの出る栗林に、小さなフキノウトウの芽が3つほど、綺麗な登山口横の家の庭、手入れは充分だが人の気が無い。縁側のカーテンは閉じたままだ。上り口から振り向いて見た火打岩の集落に、子供の声の響く家は1軒、陽の中たる旧道辺りの家である。防獣扉をあけると暗い杉の林に続くプラ階段、ここから尾根までの150mほどの高度差は、1番くらいに苦手なところだ。

何が苦手か考えてみると、暗い階段途と味気ない林では気散じができない。尾根に上るとほぼ水平な御嶽道が残り、大岳寺跡までは快適な道である。春には10万本の野生のクリンソウが咲き、サクラソウ独特の賑々しい色彩で多くの方々が訪れる。今日のところは前後に人はない。吹出す汗に吹き付ける風が気持ちが良い。水平な御嶽道の側面には、仏像などの安置された虚などがところどころにあった。見る人の無い道の下などに仏をおいたのは何時の頃でどんな人達だろう。

それらしい窪みを見つけて降りて見た、ここに仏像はない。が、このようなものを公にするためにスマホのカメラ機能は有用である。今度、撮影のための山歩きをやってみようか。お宝などが埋まっていることもあり得ない事ではなかろう。少なくとも「金鶏」よりは現実味がある。などと思案を巡らしながらもクリンソウ群落入口まで来た。下の谷に生えだした白菜が、よもやクリンソウであったとは思わなかった。気が付いておれば第1発見者であった。花を咲かせる前のクリンソウは白菜とよく似ている。

大岳寺(みたけじ)跡まで来た。目の前の伽藍跡は広くは無い、が尾根を調べると続きがあって、下の鳥居跡から辿るとかなり大きな建物群があったことが分かるのだ。今では御嶽下の顔の識別も難しくなったお地蔵様だけがご存知の事である。岩の出て来た途を上ると南に飛び出たテラスがある。篠山への展望の良いところで、一帯を俯瞰出来るところだ。気分が良いので一本つけているところへ後続が登って行く。突然、女性の声で「タバコの匂い!、タバコ吸ってる人がいる!」、山ほどは好きにさせて頂きたい。

山頂直下の植林地で追い付いて、ピークへ向う彼らを見送りオオタワへ降る。鹿に食べられ無い大変な数のウリハダカエデの中を歩き、台風禍によって北への展望の良くなった途を降ったオオタワの駐車場、エネルギー補給の後では小金ヶ岳への登攀意欲が失せてしまった。県道を歩いて降るのも楽しいものだ。温かい、春のような陽気なら尚更である。



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