道路脇の温度計は−6℃を指している。あまりの寒さで雪は無い。見上げるお山のピークあたりも冬枯れた侘び色ばかり、年末の雪は溶けたんだろうか?。人の住まなくなった家の庭に、落ちて固まった雪の塊、乾いた土の上で陽射しに煌めく。水分は全て凍っているから路地もどこもよく乾いている。縁側の陽射しの中で伸びる猫が4〜5匹、風がないから陽射しがあると別世界だ。
防獣ネットの側に☓印の着いたポスターがある。それによれば2月〜3月中まで付近の樹木の伐採があるとか、峠までは立入禁止区間になるらしい。ほとんど雪の無い途を歩いて芦見峠、ここからは溶け残る雪が残るプチ雪景色。雪の表面が毛羽立つ様な、何?、と覗き込むと辺りを覆う氷の結晶、表面が溶け、強い寒気で再び結晶になったものらしい。風があってはこうはならない、珍しいものを見せて貰った。
気温は、と見るとー10℃、近頃では一番に低い気温、風がなくて助かった。年始からの踏み跡がおよそ5〜6人分、登山道の中心部は踏まれた雪が凍り付いてよく滑る。溶け残る雪はサラサラの砂糖状態、泥が付着しないから綺麗なままだ。急坂に差し掛かかり、氷の上は危険になった。誰も踏まない雪の感触は雪と云うより砂に似ている。砂の斜面を登って斜度の緩む馬酔木の林、どうやら雪景色らしい趣きが残っていた。
近頃の雪が無いので馬酔木のジャングルが無い。登山道を塞ぐ馬酔木は切ってしまう予定で鋸を用意している。今日のところは出番が無い。ピークに立つと流石に風が少々、お地蔵様に新年の挨拶を済ませると急速に身体が冷える。愛宕山に回ってジープ道では、本物に変容したボブスレー紛いの道は困難だ。と言う事で、風避けの馬酔木の中でエネルギー補給の後は、不本意ながらピストンで降ろう。気を付けながらの降り道、エネルギー消費量が足りないようで、手袋の中は酷く痛い。
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