■ 布引山地・経ヶ峰 
・・・・2020年09月19日
2020.9.22

布引山地の経ヶ峰、標高は800ばかりで周辺の森は植林が占め、ところが津市の方々には人気だと云う。山頂からの展望が良い事が人気なのかそれとも他に何か?、かくなる上は、連休で暇もあるから歩いてみよう。登山口は各所にあって、参考にしたのは錫杖湖は笹子川の登山口、分かりやすさが決め手である。

都市近郊で市民に愛されるダム湖とは、何れにしてもさぞ美しかろう、と見たダム湖、水位の低下で周辺は赤茶け、水はまずまずの水質らしいが美しいほどではない。笹子川の入口には「経ヶ峰6・6キロ」の表示がある。なるほど、ここから歩くものらしいが駐車地が無い。市民の憩いの場所での路肩駐車は気が引ける、で少し戻ってダムサイトの駐車場に車を止めた。その間にも通る登山バスらしい車。

笹子川に沿う道は長くて真っ直ぐな区間が多い。にも拘らず先のバスは何処にも無い、上流に向かう車は時々通る。この状況は果たして、上の方に駐車地がある?、経ヶ峰まで6・6キロ歩く必要は無い、と云うことか。見通しの良いとても広い道が続いている。川の水には濁りがあり、川底には泥が溜まって、道脇にはミゾソバを確認、他に見るものが無い。

退屈な舗装の道を約1時間、斜度の少ない道は歩き易くはある、が先週あたりであったなら、きっと熱中症で悲鳴を上げたに違いない。皆様の車が2〜30台、未だ十分に余地が残る。登山バスのおじいさんおばあさんは歩き出したところで、中には草花鑑賞が本命で、山歩きは2の次の方々もおられた。

延々続く林道、やっと道から開放されるといきなり谷川の渡渉がある。渡渉のあとは、だまし討ちの様な厳しい斜面、が風は冷気を孕み涼しいのだ。前方が明るくなると関・亀山方面の展望地、シャープの工場は正面にある。未だ小さい植林地のカヤトの中は暑かった、無風の炎天下のカヤトの中は5度ほど気温が高い。カヤトの原を抜けると冷気の籠もる植林地、あとふた登り位は覚悟の上、と、目の前に見えてきた立派な山小屋、傍で寛ぐ方が数名、ひょっとするとピーク下の山小屋?、ほとんど林道歩きで着いてしまった。

小屋の裏からピークにひと登り、芝に覆われテーブル・展望台のあるピークは噂の通りの快適さ、全周囲に展望があって、霞の多い日でありながら名古屋辺りまで見渡せる。お昼時に合わせて登って来られる方々は後を絶たない。芝の上にシートを広げてランチタイム、冷気を含む風が応えてきて、青い唇で早々に撤収、小屋前の日溜りでランチの続き、賑やかな小屋の様子を伺うと、鳥かご風のザックに入ったオカメインコ、おば様方の注目の的であった。

さて下山はどうしよう?、国土地理院の地図によれば、皆様の駐車地の下流に降れる尾根道がある、踏み跡もまた確り残る。標識の「笹子山」は谷コース別れから1分のところ、快適な緩い降りの尾根道が続き、楽勝モードでいるところへ急峻な登り、これは厳しい、と上り詰めたピークは「嘉嶺の頭」、ここからは再び快適な尾根、と、やはり再び厳しい登り、登り詰めたピークは「北笠岳」、ここでトレランのお若い兄さんに抜かれ、彼らの跡を辿れば良いものを、あくまで地理院の道を進む。

結果は、尾根は細尾根、低いとはいえかなりの急勾配の尾根ルートに変わり、踏み跡といっても人か獣か判別も難しい荒れた尾根。現在地を確認すると正規ルートを外れている。戻るには進み過ぎて、ところが谷まで降れば林道があるらしい。谷川を渡渉し古い林道を抜けたところは皆様の駐車地の直ぐ上であった。目の前を、トレランのお兄さんが歩いていた。陽射しの傾いた林道を生ぬるい風が吹く。結局、ほぼ片道6・6キロを歩いて経ヶ峰を終えた。


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