■ 丹波・向山連山
・・・・2020年03月07日
2020.3.8

広い水別れ公園の駐車場を半分ほども埋める車の列、芽を出すばかりの辺りの街路樹は綺麗に手入れされ、春を待つ用意にお忙しい地元の方々。午後からは芳しからざる天気予報ではあるが、朝露の降りた日向は温かく、水辺に遊ぶ水鳥にすら安らいだ雰囲気がある。

人の世は、新コロウィールスの話題でひときは賑やかなとき、ノコギリなどを手に、立ち働く方々の顔にマスクが少ない。快晴ではあっても気温はかなり低くて2度、登山口の防獣扉を開けると未だ冬の気温。入口辺りに繁茂する笹も、ネットを境に裸の地表に変わった。土色の地表を覆う枯葉を踏んで、厳しい斜面は高度差200m。小さな古墳の積み石の傍には、真っ赤な花を着けたヤブ椿、ミツバツツジの花芽も膨らみ、来週辺りは開く様子。

たかだか200mに苦しんで辿り着いた2の峰、長閑な黒井の里を見下ろして汗を拭き、目指す3の峰への尾根歩き。向山連山は標高こそないものの、終始厳しい斜面を歩き、周回するとかなりの運動量になる。疲労した身体を休める展望所などがところどころ、先ずは大岩の上に腰を下ろして見回す向山連山。谷間に目をやると鳶が舞い上がる。温かい空気を摑んで、舞う様に弧を描きながら目の前を登って行く。

古い石組などを見ながら辿り着いた3の峰、ここは通過するだけで展望は無い。一旦降って山腹を巻き、登り返すと4の峰。ここも展望はほぼ無い、しかし戦国の遺物をもっとも残しているところだ。ここから降る途中の岩の上から黒井城が見え始める。手入れされたのか、整然とした姿の黒井城には古城の趣きが増した。今は蕾のヒカゲツツジの咲く頃には、淡い黄色の花の先に、黒井城が美しかろう。

降った先からの登り返しは凡そ100m、岩の細尾根からは南北の展望が良い。登ったところが北峰で、いちばん北にある峰かと思うとそうでも無い。地図では4の峰がいちばん北に位置する。少し歩くと向山、ここは日陰が多くて今日のような日は足を留める場所では無い。少し歩いた展望所、灌木が育って展望は良くない、ここは風が少なく日差しもあって、ランチ場所には最適だ。樒の花はヒカゲツツジに似ている。

次は5の峰で、黒井城とはここでお別れ、またまた降って登り返すと岩峰に乗る。その先は蛙小峰と続き、杉の人工林に入る。これで終わったようなものではあるが、この先の無名峰への登り返しと、そこから公園上まで続く細尾根の激降りは厳しい。トラロープが無かったら、かなり緊張の伴うコース。今日のお山での出会は無し、汗だくになって降った公園の、芝生の上で寛ぐ親子連れ、陽だまりに咲くタンポポ、新コロウィールスの影は何処にも無い。


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