■ 但馬・蘇武岳
・・・・2020年02月01日
2020.2.2

妙見山と同じ尾根の北側にある蘇武岳、立派な舗装路が山頂直下まで延びる山、雪の季節で無ければ歩く必要が無い山だ。昨日あたりからの雪情報、国道9号の道脇に雪は無い。ループ橋周辺には雪に代わって放水があった、塩カル対策には有り難い。西の一角に見えた真っ白な山はスキー場だろう、それほどの積雪はあるはずが無い。

道の駅「村岡ファームガーデン」の片隅をお借りして駐車、すると直ぐお隣りに駐車する車がある。それほども狭く無い駐車場の片隅に、敢えて車を止めるのは何故?、と思いながらも歩き出すと登山口の看板、舗装路と離れると直ぐ雪が着く。雑木林に続く登山道に今日の靴跡は3つ、雲の多い空から陽射しが洩れる、雪には青空が必要だ。

薄暗い植林地もなく明るい登山道、快適な道、と思っているところに重機の跡も鮮明な林道が近付いてきた。泥に塗れた林道はよくある話、林道下に続く登山道は雪に覆われ、ところが足を載せると泥が噴き出す。水の排出口を設けない林道から流出した泥水は、登山道に流れ込んでまるで沼、こんな酷い登山道は始めて歩く。

真っ白な雪面に続く泥靴の跡、坂を登ると伐採地に至り、拓けた南北の展望の中に、胡麻塩頭の氷ノ山が見える。植林地を掠め、樹氷に輝くピーク尾根が見える辺りで目の前に立ちはだかる瘤、これは厳しい、と思っているとジグザグに切った道に踏み跡が続く。瘤に登るとピーク尾根は目の前に拓け、右の端には妙見山のピークが覗く。ここは「馬の背」と云うらしい。

馬の背から増えた積雪、40cm位は有りそうで、先行者の足跡にアイゼンとワカンが着いた、アイゼンは余分だろう。人の気配に振り向くと、いつの間にかお二人が迫る。眩しい雪の急斜面を越えるとカーブミラーのある広い道に出た。雪に覆われた道に車は無い。右手には大きな展望所、ランチ場所にはちょうど良い。が、吹き抜ける風は強く冷く、ゆっくりするなら風の無い東側を選びたい。

尾根芯に上がったところで蘇武岳ピークの案内、左手の緩い斜面を歩く事20分ばかり、左側のカラ松の林は霧氷が煌き、柔らかい曲線に覆われた右側の林は休め休めと云う。誘惑を振り切り、やっとの事で着いたピークは見晴らしの良い吹き抜けにあった。先行されたお二方は展望と雑談、お一方は東の端でお昼ご飯。後続お二人が着いて雑談に参加、先の陽だまりの雪を踏んでお昼にしよう。

流石にピーク、陽射しの中とは云いながら、30分も居ると冷えてきた。二組は既に去った後、帰り仕度をする間に、単独の男性も降って行く。今日の蘇武岳はこれで最後だと思われ、綺麗な霧氷のカラ松などは滅多に見れるものでは無い。がしかし、痛い両手は如何ともし難く、折角持ってきた厚手の手袋は面倒くさくて出せないのだ、降るしかない。

降る行程でも、泥の登山道を避けるルートは無く、登山口に降りた時には靴・スパッツは泥だらけ、水を探して右手に登って墓地の前、「自由に使って下さい」の貼紙のある井戸があった。手押しポンプを動かしたのは小学校以来、懐かしい体験が出来た。皆様も同じく水を探してウロウロ、駐車場手前に谷水の流れる排水パイプがあったのだ。隣に駐車された方は、展望所でお昼にされたお二人であった。


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