■ 丹波・白髪岳〜松尾山
・・・・2020年01月25日
2020.1.26

路肩を歩く、登山姿の方々の横を抜け、無料駐車場に着くと先行者が6〜7台、大寒を過ぎた1月の風景とも思えない温かさ。畑作業のおじいさんを見ていると、傍らの梅の木に花が無いのが訝しく思われる。里山で冬を超す小鳥達にはとりあえず有難い事に違いない。時に凄まじい山鳴りが聞こえる林道を1・5キロ、大型の四駆で横着をする方がすんでのところで登山口に先着した。

先行者があるにも拘らず背中が見えて来ない。先ずは右側の急傾斜の山腹を登り一旦谷に降りる。ここから崖の様な斜面の階段道を尾根まで登る。小さな山体を上手く利用した登山道だ。尾根に乗ると北風が強く気温も数度は低い。それでも山頂に遮られた風は幾らかは弱いはず。霞が少なく、岩尾根からの遠望はかなり良い。

松と灌木のトンネルを抜けた山頂は無人、皆様はどこら辺にあるだろう。山頂を吹く風は強烈で、降る北側登山道には霜柱、夏でもお湿りの多い北側斜面は割合に乾いていた。雪の無い季節のあとはどんな季節になるだろう。尾根を巻く辺りでやっと単独男性と遭遇した。北側の鞍部を抜けて松尾山、ここで今日二人目の単独おじいさん、「山頂は強風で寒いやろ?」、「いいえ、ここほども寒く無いです」。

松尾山は当初、山城として開発され、次にお寺が建ったとか、確かに、山頂を取り巻く曲輪状の跡などは山城を思わせる。が、奇妙な事に、土台となった礎石や石積などが全く無い。これでは掘っ立て小屋の跡とまでは云わないにしても、相当規模の建物の跡では無い。お寺にしても、同様の疑問は排除できない。

ところが、降った先にある卵塔群などを見ると、かなり大規模な伽藍を想定せざるを得ない。お墓の特徴から見ると尼寺、もっとも、少し離れた東側山腹に残る大規模な伽藍跡との関係であれば、やはり松尾山山頂の施設は小さかったと結論できる。そして、何れも今では昼なお暗い植林地の中に埋もれている。

思いの外長い道のりを経て、登り口の家の裏に降り立ったのは歩き始めて3時間ばかり、小さな川の端に腰掛けお昼ご飯、弱いながら陽射しがあって、風はあるものの春の様な暖かさ。餌を啄む背黒セキレイのつがいは水の中、単独ハイカーはぼちぼち、車に戻るところである。


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