■ 京都西山・越畑〜水尾〜愛宕山
・・・・2020年01月19日
2020.1.19

よく澄んだ青空の彼方に、真っ白な山頂部を覗かせる山並み、比良の何処にもそんな山は今年は無い。北東にそんな山を探すと第一に白山が上がってくる。下界から白山を見たのは始めての事だ。越畑のいつもの駐車地には先着がおられ、地蔵山へ向かって歩き始めたところだ。地蔵山は途中の植林地が暗く、今日の様によく晴れた日は登るべき山では無い。

樒ヶ原の物産館の路肩に車を止め、愛宕山参道を越え府道を1時間、途中の神明峠にもハイカーらしき車が1台、水尾の集落でも女性ばかりのハイカーとであった。僅かばかり、京都に近付いただけで見える景色に色が出て来る。黄色い実を沢山付けた収穫期の柚子もそのひとつ。愛宕山登山道の案内を見て集落の路地に入り、急傾斜の道を登ったところから登山道が始まる。昨年歩いた時には出会う人も無く、ただキツいだけの静かな道であった。

沢山のソール跡は今日のものである確証は無い。陽だまりの集落に比べれば気温はやや低く、しかし風が無いので登る分には充分過ぎる気温、10分も歩けば汗になる。前方から降って来たのは高校生か中学生か、声が無ければ男女の区別を間違うところであった。ここからは、おじいさんおばあさんハイカーが降る、老若男女混成体が降る、途切れる事なくハイカーが降る。最後に、表参道出合い直前ではお母さんと小さな女の子が降る。

表参道は賑やかであった。出合い小屋前に溢れる人人人、往来の人々の持ち物などに変わったものは無い。彼らの服装はあくまでハイキング、夏場にも勝るこの人並みから推して、京都の方の冬の娯楽のひとつは愛宕山登山だと思われる。しかし、残念な事に白いものはおろか南側に続く表参道には霜柱ひとつ無い。従って、愛宕神社まで続く階段道は泥濘が多く、ひと足毎に靴が滑る。

善男善女の人並みを抜け、境内に着いたときには今日2回目の汗で背中が濡れた。濡れた背中は冷えると寒い。人で溢れる境内を抜け、ジープ道を辿って京都を見下す道側の平たい岩の上でエネルギー補給、岩の隅には溶け残る雪。気温は確かに2〜3℃低く、溶け残る雪と霜柱が辺りを覆う。北側の樹林帯の林床は薄く雪が付き、一応は冬景色らしき光景である。

そんな少ない雪を集めた雪ダルマを持ち歩く女の子の一行が通る。冬にはだいたい1回は愛宕山・地蔵山・竜ヶ岳界隈を歩く、が嘗て一度も雪の無い光景は見なかった。雪が無いからジープによる資材搬送は続くだろう。降るジープ道はひっそりとして、熱気は全て神社の南側にあるらしい。


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