■ 中国山地・三室山
・・・・2019年10月05日
2019.10.6

先行する方々は未舗装の林道を行かれた、が国土地理院の地図では、芝生に覆われた管理棟跡地を登って行くのが正しいルート、今回はこのコースで行ってみよう。管理棟跡地を覆う芝生の道の上に落ちたシバグリ、未だ夏を思わせる陽射しの中で、季節はやはり秋らしい。辺りの木々には枯れた葉が多く、いつまでも続く暑い日に疲れているのは皆同じ。

跡地を過ぎると広い散策路が続き、杉林の左右の分かれを右に歩けば正規の登山道、陽射しは左の道にある。左の道を進むと深い杉林、これは面白く無いので適当なところで尾根に取付き、登ること30分、古道らしい立派な踏み跡に出た。上に歩くと登山道、下に進むとお山を降ってしまうらしい。大通峠辺りに続く道なら寧ろ辿ってみたいところ。うろうろした挙げ句、大人しく登山道に戻って三室山ピークを目指すしかない。厳しい斜度の続く途から、大通峠に続く尾根の広大な草原が覗いている。

ピーク下のロックガーデンが出て来て、唯一のロープ場を越えると登山道を覆う笹藪。笹は濡れて背丈を超え、途はほぼ見えない。長く続くようなら諦めるところだが、直ぐに竹梠山との鞍部に抜けて、少し歩くと皆さんの寛ぐ山頂に出た。登山道に出て降りの方とは出会わない。駐車地の7〜8台の車の方々が狭い山頂に集っている。

大通峠に降る踏み跡を見て、西に聳える形の良い山(調べたところ「くらます」と云う鳥取の山である)を見て、霞む沖丿山・東山・氷ノ山を見てさて大休止。残る北の一角の石の上に腰掛けお昼ご飯。後から来られた方がお二人、もう山頂にスペースが無い。お隣りの方に、北の踏み跡について尋ねてみたところ、ご存知無いと仰る。背後では、周辺山々の同定にお話が弾む。木陰の一切無い山頂は、吹く風ほどは涼しくない。

皆さんの留まる山頂を後に、笹藪の薄い事を期待して、うっすらと踏み跡の残る大道峠へのルートを降った。期待したように、後退した笹薮は概ね膝程度で、背後になった三室山ピークが見えてくる辺りで、天空の草原、実は枯れたシダ類、に到達した。広大な谷を隔てた「くらます」は、御伽の国のような憧れを懐かせる。山容、色彩、眼下に展開する谷間の光景、何れをとっても素晴らしい。

草原のところどころに影を成す大きな樹木はイタヤ楓、オオイタヤメイゲツだと思われ、鈴鹿・御池岳山頂大地を覆っている。メイゲツカエデは風雪に強い樹木だろうか?。峠に向かい、薄い踏み跡を几帳面に辿るのは、踏み跡を確実にするためで、歩けば道が残る、と教えて頂いたのは伯耆大山であった。草原を過ぎるとブナなどが点在し、苔を敷き詰めた綺麗な樹下などもあったりする疎林が続き、やや尾根の幅は狭くなる。

1時間ほど歩いたところで左に折れるとブナと笹の樹林帯が続き展望はなくなった。因みに、真っ直ぐ降ると「くらます」登山も可能な谷の林道に降下できる。辿り着いた大道峠は標高1000mを超え、通行止めの林道を歩くと距離が長い。適当なところで皆様のご指示に従い、急降下する尾根を辿った。古い峠道と出合うあたり、林道下の谷川の側にひとり佇むお地蔵様、旅人の慰めともなったであろうお地蔵様、用なしになった今日とは云え放置とは情けない。

駐車地側の、湧水の脇で見たアケボノソウ、一般には5弁の花が着くところ、ここでは4弁の花を着けた株が2株あった。


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