■ 京都西山・水尾〜清滝〜愛宕山
・・・・2019年09月28日
2019.9.29

今週も今日明日ともに雨模様の予報、大崩れする様な気圧配置でも無し近場なら傘でも凌げる。馴染みの愛宕山でも、始めてのコースを辿れば始めて登る山と同じ新鮮さがあった。ならば次いでに、他のコースも歩いてみようと車は嵯峨水尾集落手前の杉林の片隅、薄日の射す柚子畑の側は暑い。道を降って行くと何やら賑やかな雰囲気の畑の前、「藤袴まつり」?に集まった方々だ。藤袴に群れるアサギマダラのポスターを見たように記憶している。なるほど流石に京都、こんな斜面の狭隘な集落でも観光客を呼べるのだ。

集落下側の休耕田には藤袴の花が咲いていた、しかし今日は朝から暑い。道を降って保津峡に向う道中、満席の観光客を水尾に運ぶマイクロバスが頻りに通る、片道220円。道の左手は愛宕山山系の山腹、右側には瀬音の響く谷川が流れる。谷川に降れる道がところどころ、歩行者は本来、川に沿った観光道路を歩くものらしい。案内の看板は些か古びたものであった。

道の先が明るく、広くなったところが保津峡駅、大橋と駅舎とトンネルの他、駐車車両が数台、周囲は山と渓谷、周囲にこれほど人の気配の無い駅はみたことがない。ここを川の流れに合わせて左に折れ、ところに尾根に這い上がる途があった。恐らく「ツツジ尾根コース」、水尾別れで出合うルートだ。暫く歩いたところにトロッコ駅保津峡、更に細やかな駅である。流れる水はそれほど美しくない、がこれほどのスケールでゆったり流れる渓谷は希少で一見の価値がある。

広からぬ道は、時にバイクと車が通る程度で歩行の邪魔では無い。小さいトンネルを2つ抜けると落合、千代川と清滝川が出合い、桂川となって嵐山に流れる。出合の古家は大分以前に閉鎖されたものだ。道なりに歩くとうねうね、川から離れて登って行く。ご婦人お二人がランニングで降って来られた。

橋まで戻って地図を確認、清滝川の川辺に続く道がある。川に降って直ぐ、水没橋を渡ったところがやや小広い平坦地、何かの跡地に違いない。地図を見ると、ここを登ると表参道に出合う。流れを遡ると川岸の岩の間に咲くギボウシ、立派なカメラを構えて水中を覗き込む男の子、未だ11時前にも拘らず一人肉を焼く中年男性、澄んだ水の中で泳ぐ鯉、秋も深まればこんな静寂はあるまい。10人ばかりのご老人ハイカーと出合ったところは茶店か何かの跡であった。

ずっと昔に1度だけ訪れた清滝は活気に溢れた人の多いところであった。今の清滝は夏草に覆われ、人の気配のない建物が多い。川向こうの駐車場の車は登山者のものだ。表参道からの登山口は確認した。この先を詰めれは高雄までは行ける道、ここでお山に向っては、この先への未練が残る。ならばもう少し行ってみよう。清滝の狭い路地を抜けると道幅は狭くガードレールもない。その道を軽自動車が登って行く。

会う人はお山から戻って来られる方々ばかり、老いも若きも、男も女も、終わりの安堵感と達成感に溢れている。これから登る身としては、何やら肩身の狭い思いがする。「5時間かかる登山をなめちゃいけない」風のポスターを度々目にした。高雄に続く道と月輪寺コースとの出合で始めて休息、ザックをおろして高雄方面を伺ってみた。杉の倒木が道を塞いで酷い状態、月輪寺コースの他に余地が無い。

道の途中で大杉谷コース登山口、このコースは多少厳しいと聞く。確かに、斜度の厳しい道は是非避けたいものだ。道が終わって月輪寺コースが始まるところは谷川の側の石塔のある暗いところで、ここを登ると必ずピークを踏む事になり、長い。時間も無し、興味の無いピークを外して歩くとしたら、大杉谷コースを登って表参道へ向かい、水尾分かれで水尾に降れば車まで早い。

引き返して登る大杉谷コース、単独女性が降って来られる。道脇の小さな案内に、表参道を確認、大杉谷コースと分かれて登る道の斜度は厳しく、谷に向って離れていく道が羨ましい。道にはセメントの補強があり、これはジープ道と同じ様な?、と思っているところで「ジープ道」の案内を発見、樒原とは別の「ジープ道」があった事を知り、のみならず、そのジープ道を登る事になろうとは、、。

心臓はフル回転、大汗をかいて登る道は樒原より厳しかった。2足歩行で登る限界の斜度である。躊躇する余裕のないジープ道を登って、さて、どこで分かれたら表参道に行かれよう?。現在地を確認したところ、道は西に向っているし、愛宕山ピークは後方にある、ここは何処?。後で判った事だが、こちらのジープ道は神社に向っていなかった。

現在地が特定できない以上、この道を外す訳にはいかない。で、覚悟を決めて再び登り始めた道の先に小屋が見えた。小屋の前の道は広く、あちこちにハイカーがいる。経緯を理解できないまま、表参道である事を認識した。水尾分かれは未だ少し先、緩やかに登る道が酷く堪える、膝が上がらない。水尾分かれでエネルギーを補給、辺りの樹林では未だツクツクボウシが啼いていた。降る水尾ルートは暑かった。


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