■ 丹波・鷹取山〜小野寺山〜五台山
・・・・2019年04月14日
2019.4.14

どこか静かなところで、満開の桜の花の下を歩きたい、というような思いもあって、選んだのはつい先ごろにも歩いた氷上の五台山。延々と続く加古川の川岸の桜は満開だ。お山を登った後の楽しみを残して、登山口のある岩龍寺の駐車場、側の病院の桜も同じく満開。安定した春らしい天気を期待して、春山仕様のやや薄着にしたものの、気温は7度、お山の樹林の下は更に低かろう。

早朝にも拘らず、独鈷の滝見物の方がお二人、登山関係者は他に無い。ヒカゲツツジの咲く周辺の山は多いに賑わっている筈だ。滝の前の不動尊まで歩くと、石の階段の側に、近頃はめっきり少なくなったミヤマカタバミの小群落があった。日差しが無いので花は閉じている。ヒカゲツツジと比べると、実ににささやかな光景だ。今日は先ず美和峠を目指し、暗い樹林の下から始める。予想の通り気温は4度、厳しい斜度がなければ寒い。

暫く尾根を見上げて歩くと斜度も緩み、所謂峠道の様相に代わる。水平途になり山腹を横切るところが2ヶ所、出水により崩落していたところが渡れない。強行すれば渡れなくは無い。が渡る代償が泥まみれでは面白く無い。少し引き返して、分水嶺に突き上げる尾根を登った。途らしいものは何も無い、しかしジグザグになった踏み跡らしきものは残っているから、同じルートで登る人もあるらしい。

植林地の暗い森を登るとそこは、光の溢れる春であった。気温は一気に10度を超え、左に愛宕山が続く分水界のピークで、眼下に市島の街並み、正面に五大山に続く岩尾根がある。暫く休息を入れ、五大山の様子を見たところ、少なくとも山頂に人影は無い。今年の五大山のヒカゲツツジは良いとの事であった。稜線の背の高い綺麗な樹皮の木はほぼコブシ、今が満開で、背が高いから花影を認めるばかり。

少し降ると美和峠、麗しい名前の峠ではあるが、市島側は木でとうせんぼ、氷上側も不通では、廃れる他は無い。傾斜が出てきて次は鷹取山、別名は「氷上槍」だ。名の通り斜度は厳しい、が左回りでは最大の難関は降りで迎える。日の当たる氷上槍の眺望は非常に良い、殊に北に見える親不知は秀逸であった。今度北側の周回ルートをやってやろう。良い展望で見えて来るのは綺麗な光景だけでは無い、至るところにある山の崩落箇所はどうだろう?。未曾有の大破壊を改める議論が必要な時期だと思う。

のんびりした後は激降り、降りで見るとやはり崖、こんなところが登山道とは、せめてお助けロープはあっても良い。次は小野寺山への登り返し、暑いし斜度はあるし脚がだるい。汗を拭きつつ登り詰めた小野寺山ピーク、声がする辺りを見ると3人の男性パーティー、お昼の用意に話が弾んでいる。五台山ピークまでの、樹林帯を抜ける風はいつも冷たい。今日はこれが気持ち良く、溢れる汗が引いていく。引いたところで五台山ピーク、岩場に迫り出した展望台の眺望はやはり良い。

お昼を食べる間に高空を舞うハングライダー、大きな鳥と間違えるところであった。今日は未だ桜見物を控えている、素直に降って桜を見よう。目の前の、川の堰堤に長く横たわる、淡いピンクの帯が呼んでいる。滝上部の崖の岩場に、満開のヒカゲツツジが咲いていた。ここでは始めてお目に掛かる。


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