■ 京都西山・地蔵山
・・・・2019年03月31日
2019.3.31

昨日は雨で、今日は朝から青空が覗き、日差しの中では温かい。北の空は怪しい黒雲に覆われ、これはどうしても尋常では終わりそうにない。越畑のいつもの駐車地の土手に、咲いたばかりのイワナシの花、春先は兎角不安定、積雪が無いだけでも有り難い。

見える程の段々畑に人の気配は無い。芦見疎水の水音も、どことなく未だよそよそしい。集落の白い花びらを見つけては桜?、よく見れば咲き誇る梅ばかりで、越畑の桜は来週以降だろうか。日差しの無くなった芦見峠で一休み、風が強くてザックを降ろせない。気温は3度、何やら花びらの様なものが風に飛ぶ。

地蔵山に向かうところでソロの男性が登って来た。先に行って貰って樹林帯に入ると、幽かな、不気味な音が迫ってくる。え!?、と振り返った途の途中に、小奇麗な山装束を身に纏う、お若いハイカーが迫っていた。不気味な音は、腰に下げた熊鈴であった。と言う事は、先程の男性と後続は、バスで来られて清滝方面に縦走する予定だ。

やはり先に行って貰って、ところがなかなか距離が空かない。そうこうしている間に、選挙演説に混じって賑やかな声が聞こえて来た。おじいさんハンターによる害獣駆除、賑やかな声は勢子方、追い込みグループの発する威嚇の声だ。威嚇というほど凄みは無い、追い出すにはあれで、効果があるのだろうか。偶に出くわしても、成功した話を聞かないのだ。

曲がるべきところを、真っ直ぐに斜面を登る前の男性、行けなくは無いが途が違う、と声を掛けると慌てて引返し、正規の登山道を歩きだし、やはり距離は付かず離れず。山頂北側の急坂に掛かるところで枯木の林に花が舞う。枯葉の上に舞い降りた花は、暫く見詰める間に消えて無くなる。

息を切らして急坂を超え、馬酔木の林に入ると枯葉の中に、小判サイズ(何分にも本物は見た事が無い)の葉が一枚、何れはピンクの花を見せる筈。絶え間なく風花の舞う今日の地蔵山の点描である。西向地蔵様は相変わらず、雪の衣装を脱ぎ捨てて、お御足も露わに夏モード。周辺を覆う馬酔木には、さぞやお困りであろうと察せられる。今度はノコギリを持って来ようか。

ピークのケルンに身を潜め、不自由な身を横たえるシュワッチ地蔵様、兎に角ご無事の様子に一安心。が、ときに届いたお日様の光は今は無く、風花に加え、真っ黒な空から雨粒も届く様な荒れ模様。愛宕山への尾根道を辿り、ジープ道を下ると登って来られる方々が三々五々、中には一家三世代の愛宕参りも交じり、未だ健在な愛宕信仰。と思う側を駆け降りる、若い男女のトレラン姿、後で聞くとも無く耳にした話は、降りは怖かった!、そうである。樒原の道側で、小さな赤い実を着けた植物を見た。植物の名はヤブコウジ、ヤブコウジは十両、ツルアリドウシは一両、とも言うらしい。


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