■ 中国山地・泉山
・・・・2018年11月24日
2018.11.25

笠菅峠からの泉山は初めて辿る。辺りの山々はすっかり冬色で、遠くに霞む氷ノ山あたりの山頂部は白く、今季初の寒波で初冠雪。登山口の芝生を濡らしたのは溶けた雪か早朝の霜か。先行車が2台、歩き始めて直ぐ、通い慣れた感じの車がもう一台、窓から覗いた顔はお若い方だ。昨日のものらしいタイヤ痕の残る林道をとぼとぼ、一面を覆うウリハダカエデの葉に陽の色が無い。代りにあるのが溶け残る雪と霜、雪はまだしも霜は寒さを際立たせる。

駐車地らしい、灰皿などの設置された先に登山口がある。もう少し歩いて、中林の滝の上近くから登るものだと思っていたからなんだか残念だ。プラ階段の続く植林の斜面は厳しかった。距離・高度差ともに少ないコースではあるが、いきなり300程の急登は応える。人の気配に振り向くと、ダブルストックのアベックが迫っていた。斜度が緩み、陽射しの中の尾根道になると東の眺望が良い。氷ノ山のほか後山辺りも、山頂部を白く染めている。樹木に葉は無くても、足元の芝生は未だ青く、テント泊に良いロケーション。迫っていた後続は姿が無い。

整備された反射板は現役だろうか?、ここを過ぎると登山道は一旦降り、前方の急勾配の山腹に続いている。西への展望が拓け、雪を頂く大山が一際高所に聳えている。色の少なくなった道中、ピンク色のマユミの実がひとり温かい。見上げるような瘤に続く道は黒く泥濘み、ここが終わると泉山ピークが見えてきた。瘤の上は気持の良いところで、眼下の中林への展望などは泉山では得られ無い。

少し降って最後の登り、ここも溶けた雪に濡れた道は泥濘んでいる。草紅葉の終わった、風の無い泉山ピークは温かだった。大山のみならず、周囲の山々が鮮明で、これは低い気温によるものだろうか?、三ヶ上ピークを降り南峰を目指す人の姿が見えていた。勿論、裸眼では無い。井水山方面から2人、後続の2人が登って来て、山頂広場は長閑なお昼時。いかに温かいとは云え、少し風が出てくると濡れた背中が冷たい。

皆さんも同じようであったかどうか、腰を上げると一同下山に取り掛かり、後に付いたアベックは一番に降って行った。陽の当たる登山道には未だ残る小さな花々のほか、春に芽を出す筈の植物がチラホラ、今頃に葉を出すと来春はどうなるんだろう?、と思わせる植物は数種類。駐車地に戻ると未だ2台の車は残っていた。と、背後から賑やかな声が迫り、女子高校生(と思う)が6人ほど、引率男性と戻って来た。恐らく、山小屋の清掃などに登ったものだと思われ、それにしても屈託と云うものが微塵も無い。


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