■ 丹波・白髪岳
・・・・2018年07月01日
2018.7.1

梅雨もどうやら先の見えた頃、と云いながら湿度が高い、曇りがちの空から降り注ぐ陽射しは暑い、歩き出す前からこんな様子だから、暑苦しいのは知れた事。白髪岳の無料の駐車場には都合9人、概ねお若い方々のパーティと、今着き登山靴を履き出したご老体がお2人、歩けば時に吹く風に感じられる涼しさ、集落の最上流の裏手で、草刈に勤しむご老体は暑かろう。トボトボ歩く1・5キロの道程で、顎から落ちる汗。先を歩く、3人の姿が登山口に消えて直後、幾らか距離を空けるのは口実で、登山口の東屋に入り、そこだけ綺麗な椅子に座って、火照りを冷ますに容易に冷め無い。

するうちに後続のお父さんと中学生位が登山口に消えて行く。筋力と体重の比を考えれば、ここはこの子が一番であろう、付いて行こう等とは夢思わぬが良い。腰を挙げていざ登山口、いきなり現れる、見上げる程の急斜面は暑かった。汗ほどは零れても体温調整が難しい、一旦登り、谷に降って登り返す辺りは、足元も覚束ない歩きで。今日の風は南の風、尾根に乗るまでは風も無い。上半身は汗で濡れ、尾根の手前でズボンも濡れ始め、膝に手を置いて身体を慰め、しかし急速な発汗は脱水症状を示し、こりゃ〜久しぶりに暑さバテ。

尾根に出ると風が味方だ。が一向に発汗は止まりそうに無く、前の親子どころか後続の鈴の音が聞こえてきた。見晴らしの良いベンチで少しだけ休んで、味方の風の中を緩やかな登り勾配、岩角を掴む手に力が入らない心細い歩きで、どうやら岩場も越えて松陰の崖に立つと、加勢の風は愈々強く、どうにか熱も冷め格好が着いた。灌木のトンネルを抜けると山頂である。

狭い山頂には8人ばかり、南の岩陰に空地を見つけて、痛い臀も立つよりは増し。陽射しがあると辛い岩場も、少し待てば雲が勝って涼風が吹く。目の前の灌木に鈴なりのナツハゼ。ここでこんなに多いナツハゼは初めて見た。後ろで鈴の音を響かせた男性が山頂に着いた。紅潮した顔を見ると、彼も相当暑いのに違いない。いきなり側の女性から、集合写真を1枚頼まれて、無言でこれに応えている、女性は強い。

ピストンの親子が山頂を離れるのを汐に、一同北側に降って行かれ、残ったのは先程の男性ばかり、アルピニストを語る彼らの降る様子は、それほど逞しくも無い。登りではバテたが、涼しい降りは結構得意だ。賑やかな彼らの声は、エスケープルートから谷に消えて行った。そうなるとこちらは、周回コースを歩こうか。幸い登りまでは涼しい古道歩き、熱中症の心配は無かろう。綺麗な尾根を詰めると松尾山山頂下の出合、ここは風が抜けて昼食に良い。昼食の間に、トレランの方が現れ巻道に消えて行った。次には山頂に一人残った男性が現れ、紅潮した顔で、松尾山への登り坂に消えて行った。彼はザックも持たず、腰のポシェットだけであった。最後に、松尾山から降って来られた団体さん、この暑い中、かくも多くの方々が高温多湿の環境下で耐えておられる。

ならば、と松尾山は中止、目の前のエスケープルートで降る事にしよう。結構立派な道に、先行者の足跡がある。松尾山は、遠くに見ると、中々に形の良い美しい山だ、が山頂は暗くジメジメして、面白いところでは無いのだ。こんな事もあるだろう


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