■ 京都北山・三国岳〜ロロノ谷
・・・・2009年09月26日
2009.9.29

朽木・桑原橋から三国岳直登コースを歩きました。車は小広い庭のある家にお願いして止めさせて貰いました。大阪は快晴でしたが、朽木の空からは時々ぱらぱら落ちてきます。

遠くの空はドンドン鳴っています。雷ではなさそうですが、どうも奇妙な音が響きます。三国岳を越えて尾根を西に下ると芦生の森です。芦生には沢山鹿がいます。

その筈で、周辺一体は杉の林ですから、食べ物は、自然林の残る芦生側にしかありません。広い原生林が続きますが、沢山の鹿にはけして広い餌場ではありません。

冬には沢山の餓死する鹿もいるのです。食べられそうにもない杉の枝先に、沢山の鹿が群れ、争って食べる姿は哀れです。このような訳ですから芦生の下草は殆ど無い場所が多いのだそうです。

これは、大学などが、一切の動物の侵入を防ぎ、そこに繁茂する夏草の調査を行った結果です。

それは、若し動物が一切介入しない、日当たりの良い場所があったなら、こんなに草がはえますよ、といった実験なので、実際にはそのような場所は在りそうにも思えません。

そして、この実験の結果から、鹿による食害を立証したようにも結論付けているのでしょう。

もちろん、周辺の森林を奪っておいて、一箇所に閉じ込められた鹿の食害が無い筈はないのです。鹿の天敵・日本狼が絶滅したことも鹿の数を増やす一因かも知れませんが、果たして鹿の数は増えている、といった結論は正しいのでしょうか。

生息域が狭まっているのですから、そのことも念頭に入れないといけません。鹿さんは、大いに怒って良いのです。

三国岳の西側には、P941を中心に、素晴らしい森が広がっています。ここには鹿や熊、テンや狐・狸などが棲んでいるようです。

小熊の鳴き声を聞いたことも在りますし、今日も熊の気配が、ロロノ谷の急斜面の笹薮の中にありました。時々、見慣れぬ人の姿に驚いた鹿が、振り向きざま、ピーと鳴いて、急斜面を駆け上がって逃げて行きます。

安全なところまで逃げると、改めて、ピー、ピーと鳴きます。他の仲間に何か告げているように聞こえますが、実際は如何でしょう。

護身用に持っている笛で、鳴き真似をします。すると鹿は、これに応えて鳴きます。面白くて、どこででもやるのですが、台高の鹿にはあまり応えてもらえません。鹿にも地域差があるんです。

芦生はたかだか900m前後の山々しかないのですが、深い谷が重なり、一日遊ぶと相当に疲れます。三国岳の北側から、登って来た道をピストンしました。車を止めた家のお爺さん、お婆さんが心配しておられました。


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