■ 若狭・頭巾山
・・・・2018年05月12日
2018.5.13

名田庄からの頭巾山はこれで2回目、沿道の様子を伺う余裕も出て、集落の外れ辺りに、道祖神の様な石仏がある。嘗てはこうした深い谷道や、続く尾根道などが、他国への庶民のルートであったことを考えれば、この道もやはりそうした道の1つではなかったかと思われる。野鹿谷の入口に止まる1台の車は、様子の分からない谷道を前にして、他車の動向を窺っている、と思う。情報によれば、この先の道は、昨年の台風により相当毀損しているらしく、通行不可の警告が出ていた。

野鹿滝までは行けるとのことで、がその間も土砂や落石に注意が必要であるらしい。確かに補修の跡は点々とあり、しかし路面は意外に綺麗で、野鹿渓谷遊歩道の駐車場まで割れ石等の見えない綺麗な路面が続いていた。補修の跡は滝を越え、綺麗な水が直ぐ側を流れるダート道になっても続いている。

林道は、橋を渡ると川と離れ、やや高みに続いている。ミズキやガマズミなどの白い花が目立つ中、サワウツギがひとりピンク色。よく見ればフジなども咲いてけっこう賑やかだ。昨年はなかった沢の水も、今日は深い淵を作る程に流れている。登山口で小休止、新緑に光る山の端に、ツツドリの声が木霊する。

谷川を渡渉、首が痛くなる程の急斜面に続く歩き易い道を登る。兵庫県の山では考えられない程優しい作りの途だ。県民性によるものだろうか?、などと考えながら歩くと尾根に乗った、ここからはやや登り勾配の山腹を行く。未だ透明感の残る若葉の隙間から差し込む陽光と涼しい風、光りがないとやや寒い。足元に、盛りを過ぎたばかりのイワカガミの花。よく見ると、茎から上の無いものが多々ある、鹿の食害は相当深刻なレベルだ。

尾根が細くなり斜度が出て来ると石楠花が出てきた、が花がまるで無い。今年の開花が早い事は承知していた、がまさかこれ程とは。やっと見つけた散るばかりの花は3つだ。かわって満開のサラサドウダン、花は異常を感じる程に多く、色も薄い。ウスギヨウラクと変わらないほど色が無い。草臥れた頃に聞こえてきたジュウイチの声、未だ修行中のやつで、最後は当たり散らしで終わっている。

イワカガミの群落を抜けて無人のピーク、ペンキの匂いの残る祠の前から見下ろした絶景。周囲は全て若葉の海、北に小浜湾、丹後半島、先に日本海が拡がる、霞の少ない日だ。ランチ場所はなかなか難しい、暑からず寒からず、風もほどほど、といった場所は狭い山頂には少ない。山頂を東に降った木陰がランチ場所、大きく葉を広げたコシアブラの側だ。大きな猛禽はクマタカではなくトビであった。

降りは不本意ながら来た道をピストン。西に続く尼来峠経由で降りる事も選択肢だが情報が無い。駐車場まで戻ったところで車が登る。渓谷を出たところで3台のバイクが行く、明日は雨の予報でテント泊でもあるまいに。


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