■ 京都西山・地蔵山
・・・・2018年04月14日
2018.4.15

例年の越畑の桜は4月も半ば、5月の始めに八重桜が満開であった。目の前の桜は既に葉桜、八重桜は見頃を過ぎて後は散るばかり、春が駆け足で過ぎて行くようで、何だか物足りなさを感じるのは、一人ではあるまい。色の褪せ始めた八重桜の側に、満開の花を付けた石楠花があった。

今日は午後から雨の予報、既に空一面を覆う雲、ところが歩き始めると北の空から青空が広がる。陽射しが入ると枯れ葉の色が賑やかで良い。芦見峠への途を半分ほども歩くと若葉はほぼ見られなくなった。新芽の状態を見ようと斜面を降る間に、重装備の単独ハイカーが二人も登って行く。未だ固い冬芽が多い中、タカノツメは若葉を出したものが多い。

峠について暫く休息、多い山桜の中でも、とりわけ葉色の美しいのが、風に花びらを散らしていた。背の高いワラビに精彩が無い。手にとって見れば全て死んだものばかり、ちょうど1週間前は雪であった。新たに出てきた背の低いワラビは緑色、寒さなどには負けられないのだ。ワラビは鹿の食害にも遭っていない、逞しい植物である。ところが人だけには対応出来ていないので、好んで手折られる事になってしまう。

その点は、マムシグサは一枚も二枚も優れていると云わざるをえない。立派に育ったマムシグサを目撃すると、瞬間飛び上がって足を止め、マムシでは無い事を確認してホッと胸を撫で下ろす。とても触れようなどという勇気は無い。貴重な備蓄デンプンを使った新芽を大量に失ったワラビに、「負けるなよ」とエールを贈りたいのだ。

峠を離れ、スキー場跡(らしい)を過ぎた頃から流石のタカノツメも精彩が無い。行交う人も無く、厳しい斜面をやっと越えると綺麗なコブシの咲く広場があったのは昨年まで、去年の台風か雪によるものか、倒れた大きな木諸共姿が無い。倒れたり幹の折れた木々が目立つ場所である。アセビの林をぬけると、今頃に咲くべきピンクの花が、時期を違わずに咲いていた。

お地蔵様の前の花は今年は無い。直登ルートはアセビで消え、縦走ルートを一歩外れたお地蔵様の庭は年々狭くなる。座ってお昼を頂くスペースはやっと2人分、そろそろSOSを発信する時期かな?。三角点にも人は無し、予報に違わず黒雲が覆い始め風も出てきた、もう暫くはもつだろう。風を避けた反射板跡地で食事中の男性が一人。

ジープ道の手前で、地蔵山に向かう団体さんと遭遇した。そろそろ降らないと雨が来る時間、ジープ道の風の抜ける区間は強風が吹き、嵐の到来を予感させた。光の失せた山にあって、満開のミツバツツジは賑やかであった。


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