■ 播磨・段ヶ峰
・・・・2018年03月31日
2018.4.1

9時前の、生野高原ゴルフ場の登山口に駐車余地は全く無い。スニーカーを履いた軽装のアベックが歩き始めるところで、奥のゴルフ場施設は営業中、止むなく道路の端に止めさせて貰い、用意の間に高原施設に向かう車は多い。辺りの桜に開花は見られない、朝の気温は6℃程で温かくは無い。が日中は汗ばむ程の気温でお出掛け日和と云う天気予報の影響は絶大だ。

尾根の樹木に芽吹きは未だ、目の前の林のみならず、向かいの山脈の様子も地図を見るより分かりやすい。今日の空気の透明度は極めて高く、遠くの山並みが見えるのも珍しい。いきなりの高度差400m程の急斜面では、下ばかり見ていると疲れは溜まるばかり、ときには目線を換えて遠くを見るのが耐える工夫だ。今日は珍しく休みを入れないまま達磨ヶ峰に到達した。先のアベックの姿は無い、彼らは走る事を目的にしているので、荷物も無ければ靴も軽い。

達磨ヶ峰からの尾根にはススキの原が多く、陽に温まった様子はとても和やかで、シートなどを敷いて横にでもなれば、これ以上のピクニックはあるまい。その様な誘惑に負けては段ヶ峰は遠のくばかり、眺望も素晴らしく、残雪の氷ノ山・扇ノ山辺りは白く輝いている。あえて不足を云えば、見るべき花の1つくらいは欲しいものだ。スミレの仲間は見かけるけれども、他に咲くものと云えば馬酔木の他に無い。

昨年の台風禍による倒木は至るところにあった。植林された杉木の他、クリやミズナラの太い幹も含まれ、捻切れた幹などはもの凄い。少し歩けば、ススキやワラビの原は平和な春の景色、気温も上昇して風の無い辺りは極楽だ。そんな陽だまりで、お弁当を開く男性が一人。一旦降った最低鞍部からの登り返し、フトウガ峰への200mの登りは、何時もの事ながら結構堪える。

植林地から雑木、雑木から笹と小さな馬酔木に覆われた景色に変わり、着いた平坦なフトウガ峰は全周囲展望が開ける広い大地。夜は星々が望め、朝日夕日は云わずもがな、ただ風の少ない事が条件のテント泊候補地だ。目指す段ヶ峰は目の前にある。やはり一旦降る定めで、登り返して尾根下を巻きながら段ヶ峰三角点、南北への展望が素晴らしい。三角点の先の最高点は僅かに高く、見れば3組ばかりの登山者が食事中。

最高点を通過、千町峠から長い林道を歩いて周回する。夏場の林道は面白く無い、が今日の林道は、山頂からも見える様に、山を見るには面白いコースだと思う。降り立った千町峠は木材の搬出作業中、千町ヶ峰下辺りの山腹は綺麗に伐採されていた。あとにはやはり杉・檜が植えられるのだろうか。

思った通り、林道からの眺めは面白かった。見上げれば山頂まで、見下ろせば、恐ろしい程の急斜面、白っぽい岩を流れ降る谷川は美しい。これだけ見えたら、地図が無くとも迷うこともあるまい、と思わせる光景であった。しかし3時間は長くて、腰は痛いし足が棒になった。高原施設が近くなると出てくる和紙の原料であったミツマタ、黄色い花は満開を過ぎたところである。


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