■ 比良・小女郎谷〜小女郎池
・・・・2018年02月18日
2018.2.18

お手軽に雪山に行こうと思えば、直ぐに念頭に浮かぶのは比良。何しろ今年は未だ一度も、ラッセルどころか雪山と言うものを体験していない。ところへ不穏な雪雲に覆われた山並、対向車のボンネットに積もった雪、これに加えて「雪道にはスノータイヤ。夏タイヤは犯罪です」などと大々的に書かれた看板を見ては、小雪のチラつく湖西道路を走れない。和邇で出る車が多いのは、そうした状況判断があったから?、志賀辺りは雪が多くなるからひとまずは安心だ。

湖西道路を和邇で出て、適当な処を探してみると、小女郎谷〜小女郎池がもっとも近い。今年に限れば積雪は多く無い、またこの時期で新雪も無く、当然ラッセルなどは不要であろうし、案外お気楽なコースになりそうだ。雪の多い小女郎谷はとても半端な気持では登れない。蓬莱駅の前を左折、狭い宅地の前の道を登って湖西道路を越えた処が蓬莱山への小女郎谷登山口、新雪が少しだけ路面に残っている。

雪の無い傾斜地を約1キロばかり、陽射しがあって、直に汗が出始める、アイドリングにはちょうど良い。耕作地から森に入る処に車が1台、雪の出て来た林道に、識別可能な今日の踏み跡が3つばかり、加えて大きからぬ犬の足跡は付かず離れず続いている。上の堰堤の前で積雪10センチ程度、これは核心部でも多くて1メートル、加えて先行者があると来たら、少々の新雪でも走破可能な状況だ。

これより杉の樹林帯を登るので、まことに勿体無い事ではあるが陽射しと離ればなれ、強い風に巻上げらた粉雪で、前が見え無い事も度々あった。凍った古い踏み跡に残る、新雪に着いた真新しい靴の跡、それも二人分もあって、大きさから判断して女性のものだ。気合の入った雪山初心者パーティとみたが、どうだろう。それにしても、小さなワンコの超元気な足跡は綺麗な雪面のいたるところに続いている。

最上流の堰堤から右岸に移り、ここからが核心部で積雪も増える。今冬初めてではありながら、一向に応えて来ない、大きな倒木が前方を塞ぐところでは、身体の硬さが身に沁みた。少々柔軟体操しようかな?。更に登って、再び左岸に渡渉した後は崖の様な急斜面を登ったりへつったり、小さな雪崩の跡に残る雪だるまも例年になく小さい。前方に先行者を発見した、ワンコ連れかな?、初心者パーティ?。

崖のトラバースが終わると峠への胸付き八丁、先行者の姿も愈々迫り、賑やかなお喋りに対して歩みはノロい。ここで積雪が多いと全く上に登れない。その上サラサラの雪質では膝で固めることも出来ないところだ。今日の場合、10センチばかりの新雪の下は硬い雪面があって、試しに踏み跡の無い谷の真ん中を歩いて見たところ、楽々と登れるばかりか、振り返って見た琵琶湖の景色がとても良い。

峠が近くなると冷たい強い風が厳しい。そんな中、先行する2人組みは右の小尾根を登って行く。色々と山のノウハウを語りながらの道程であった、がとても遅い。先行して頂いたお礼を言って、序に先に行かせて貰い、通り過ぎた峠へトラバース。彼らからは「斜面のトラバースは雪崩を起こす」と非難されたようだが、凍り付いた斜面に数センチの雪、長さ20メートルばかりの斜面で雪崩は無い。寧ろ途中の崖のトラバースを心配すべきだ。

そのような事とは関係なく、峠を吹く風は厳しかった。雪で覆われた小女郎池でエネルギー補給、側で寛ぐ男性はラーメンかな?、コッフェルを出しているから大方そうだろう。白い尾根を越えて現れた男性の前を行くのは小さなワンコ、寒さにも雪にも氷にも負けず、男性の前を跳ねて行く。多くの方がゴンドラで降る中、我々ピストン組は早めに帰路に着く。元気なワンコに加え、スノーシュウの踏み跡と一部の狼藉者の踏み跡が、狭い谷の綺麗な雪の上に新たに残った日であった。


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