■ 丹波・譲葉山
・・・・2018年02月11日
2018.2.12

春日からR176に沿って走ると柏原駅では提灯の飾り付け、午後からは雨か雪の予報が出ている中で、ここでは祭りか何かがあるらしい。そもそも柏原(かいばら)などは全く知らないので、街の中に入ると落ち着いた佇まい、由緒のありそうな建物もあって、何より街の演出も気が利いて美しい。向山から続く尾根上に、譲葉山などと云う高からぬ山があるので、今日はこれを目標にして、柏原を少し歩いてみよう。

街中を少し走ると八幡様の無料駐車場に出くわした。風が強くて低い気温、そんな中でも参拝者が多い。有り難い事に、ここだけは日差しが漏れて凌ぎやすい。歩き出した先の左手は山が迫る。その急斜面に張られた綱に、提灯を付ける方々がおられた。別段お参りする積りは無いので、そんな光景を観ながらぶらぶら、川に沿った落ち着いた通りを抜けると立派な路に出て、歴史を感じさせる街並の正面に学校があった。学校を含め、どうもこのあたり一体は史跡保存地区だと思われる。

登山口辺りに向かって閑静な住宅地を歩くと「織田家廟所」の看板があった。織田家は福井辺りに移封されたと思っていたが、ここには信長の弟が移封された由、そんな歴史を初めて知った。冬枯れの墓所は綺麗に片付いて、墓石の周りを無明の風が吹き抜ける。墓所の見学を済ませ、街並が尽きるところの防獣柵を開けて、尾根に取り付いたところでクリスチャンの墓を見た。色々と、人族の間にはあるらしい。暗い山道を登ると寺跡が出てきた、が跡だけではなくて観音堂は残っている。

暗い植林の途は倒木が至るところ、何度かこれをかわしながら尾根に出て、目指す譲葉山は左で、右は小学校へ降りるらしい。帰りはそちらを利用する事にして、植林地の切れた尾根は明るくはなった。明るくはなったが風は強く、気温は氷点下で溶け残る雪がよく滑る。風の影になる辺りは日差しのお陰で温かい。白い北側斜面と落葉に埋もれた南側斜面の間はアベマキ(別名コルクの木)の落葉が多かった。

アベマキの葉は厚く、葉裏が白いのでわかり易い。斜度が緩むと人工的な平坦地に出て、ピークの山標と小さな神社がひっそり、後で調べたところ、やはりここにも山城があったとのこと、戦国時代の氷上郡は城だらけ。尾根伝いに行けば向山連山も直ぐらしい。帰りは、途中の小学校への道を降り、小学校を抜けると柏原藩陣屋跡、側には明治のお役所をそのまま使っていると思われる喫茶店があった。

靴の泥を落としに降りた川の直ぐ前の橋、大ケヤキの根が川を跨いで橋と成った有名なものらしい。車通りを一歩入っただけで思わぬ街を見せて貰った。この先の、金山の下に架かる「鬼の懸け橋」などより、余程印象に残る。


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