■ 丹波・白髪岳
・・・・2017年12月24日
2017.12.24

風邪気味で体がだるい、思えば3月頃にも同様の体調でここを登った。雨の予報に拘わらず、温かい陽射しがある、6℃くらいで風の無い平穏な日だ。荒れた茶畑には複雑な思いも交じる、が天敵のすくない荒れ放題の茶畑は、ホオジロなぞには恰好の餌場で、背の高いススキに止まってススキの穂を啄むものが、少なくとも2羽。僅かなススキの種を啄んで何ほどの足しになるのか、考えた事も無かった。ススキは秋の七草ではあるが食用では無い、その利用法は茅葺き屋根くらいしか知らない。しかしあんなに食べているのを見たら、調べてみたくもなって、結果、若い時には食用もあったらしいが、イネ科の植物としては、専ら屋根材だった。

ホオジロの巧みな食事風景に触発されて、つい調べものなぞをしてしまった。登山口まで1.5キロ、ちょうど良いくらいのアイドリング。登山口から直ぐ、急斜面へのアプローチがある。アイドリング無しではこれは応える。谷を歩けば割愛できる処ではある、がこれをやらないとこの山の魅力が失せる。低いけれども登り応えのある山、でなければいけない。岩場が出て来て、これ以上登れなくなると途は山腹に続き、最後に降って谷途に出合う。ここからは同じく、厳しい斜面が尾根まで続く。しかし階段などが整備され、幾らかは楽になった。

垂直距離で250メートルほど登ると安定した尾根に出る。尾根には流石に風があって、汗に濡れた体を冷やすと元も子もない。どなたもおられないのを良い事に、一服なぞは、歩きながら済ませよう。岩場が出て来て突端に立ってみた、が高度感が足りない。余りに高いとこれはやらない事にしている。声の聞こえていたピークは無人であった。松尾山方面に向かったらしい。何しろ午後からは雨の予想で、薄日はあっても雲は濃くなりつつある。

北側への降りも厳しい山である。両側をロープで固めた雨雪に晒された登山道は恐ろしく歩き辛い。ロープが少しだけ緩ければ、溝にならない側の山腹を降るものを。といった道もそれ程も長くないので、降りきってしまえば直ぐに忘れてしまう。松尾山へは行く予定は無い、谷間に吹き込む風が抜ける場所は風が強い。短パン姿の若者に出逢った、寒さ対策には走るしかなかろう。途中から山腹を降るので、そんな風も直ぐに無くなり、ウソなぞが心細い鳴き声を挙げる冬枯れの林に降り立った。

ガラの仲間がキャアキャア、珍しい事に姿を見せない。雲に覆われたとばかりに見えた空から、登りと同じ様に、やや力の失せた、薄日が漏れる。


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