■ 丹波・五台山〜小野寺山〜鷹取山
・・・・2017年11月26日
2017.11.26

岩瀧寺は滝と紅葉で有名らしい、が、今日は紅葉は見頃を過ぎたものが多く、そもそも、紅葉で名を馳せる割に樹木が少ない。と思っていたところ、夏場の豪雨で相当の被害にあったようで、谷川に沿った辺りの樹木は、ほぼ流失したとの事だった。復旧作業は今も続き、影響で川水にも濁りがあった。駐車場に車を停めた直後、7人のハイカーを載せた車2台が着き、早速、準備体操などを始めだした。先に行って貰おうと思っていると、彼らは寺の方に行かれる。

そんなら先行させて貰おう。さて、紅葉の他に、有名な「独鈷の滝」はと谷を詰めると確かに滝はある。水に濁りはあるものの、立派な滝ではある。しかし滝の名が違う、別の名称を記した看板はあっても、道標にも書かれた名が無い。滝の右上まで続く長い階段を登ると、本来の登山道は現在通行禁止で、岩場を巻くように付けられた道が臨時の登山道らしい。

高度感のある滝の落ち口の真上を巻く、谷川に沿った岩場の道は、鉄パイプなどで補強がされた道で、暫く歩くと重機などの止まる工事現場に出た。今日は休みだから静かな谷も、復旧作業の続く平日は、酷い騒音で紅葉どころではなかろう。もちろん登山どころでも無い。重機は作業道を通って入ったらしい、ちょっと見たところは不思議な光景に思える。谷川に沿って暫く登ると件の林道と交差し、再び谷に戻り谷を詰めた辺りで山腹をくの字を書いて尾根に出る。

尾根から直登する事も可能なようだが、登山道に忠実に山腹を進む。今日は温かい筈なのだが、樹林を駆け上がる風はひんやり、冷たい。尾根に至ると五台山10分の案内、緑の小枝を撒き散らした道を登って、ちなみに小枝はヒノキ、台風の成せるところだろう。五台山はとても明るく、温かい見晴らしの良いピークであった。南にせり出した展望台と、右手に剣、左手に経を持った文殊菩薩?、の像が立つ。

暫く展望を楽しんで、と云うより温まって、尾根の東側にある小野寺山に向かった。10mばかり標高が低い。ちょうど7人連れの姿が見えたところで、彼らの賑やかな声が、風に乗って聞こえて来た。右手にずっとシャクナゲの続く道を10分ほど、広からぬ小野寺山のピーク、五台山から賑やかを超えるような声が届く。東側の隅に登山道らしい痕跡が見え、地図を見ると、周回コースの出来る辺りに鷹取山と云う、更に100mほど低いピークが続いている。

周回はピストンより好ましく、時間も早く余裕もある。で、降り始めると崖の様な岩場に続き、どんどん降って、とても100mほどでは止まらない。恐らく200mは降ったろうところで林道と出会い、並走する事数百メートル、林道が切れたところで斜度が出て来た。登り返しは前提ではあるが、え〜と云う程の斜度は想定外、来てしまったものは仕様が無い、小さくくの字を書きながら中程まで、流石に哀れに思ったのか、お助けロープが出てきて多少は楽になった。

そうして着いた鷹取山ピーク、四方に案内図はあるし立派な椅子も担ぎ込み、無人ではあるが賑やかなところだ。この山は別名「氷上槍」と云うらしい、氷上の地の槍ヶ岳、そうかな?。風が無いと温かいのは同じ事で、ここで昼食。こころなしか冷えて来た、と見上げた空に青空が無い。北の空から南の空まで、東西も同様、不穏な雲に覆われている。ここから降ると三和峠に至り、峠から右に降って岩瀧寺に戻れるらしい。

ここから先の尾根の紅葉は美しかった。紅葉も適度に赤く黄色く、タカノツメは羽衣色で濃い緑も未だ残り、林床は錦の絨毯。愛宕山・五大山(紛らわしい)へ続く分水界の道を離れ、峠から岩瀧寺の滝を目指して古道を降った。戻った滝上のお堂には紅葉狩りの方々がブラブラ、温かいお寺の境内は晩秋の雰囲気に包まれていた。独鈷の滝は遂に分からずじまい。



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