■ 中国山地・三ヶ上
・・・・2017年09月30日
2017.10.1

国道179号の右手に、よく目立つ「三ヶ上登山口」の看板が目に入った。細い道を、案内の通りに進むと暗い杉林に誘導され、かなり高度を稼いだところで道が細くなった。左手の谷川に続く細い橋に、轍が続いている。急角度で曲がるので、後輪のはみ出しを心配しつつ、曲った先に四駆が1台、緩い斜面の芝生の小広場だ。図らずも、面白くもない植林帯をパスする事になり、高度差150mほどは車に稼いでもらう事になった。時の成り行きのなせるわざであるから止むを得ない。

牧場があったとのことだが、斜度のある山腹の間の谷は深く、密生する笹は放牧にはどうだろう。もっとも、二次林の生育状況からみて、相当昔の事だろうから、笹も綺麗に切り払われた事も考えられる。今では道沿いの木にアケビが実を付け、登山者に季節のおやつを提供する程に様子が変わった。広い登山道に、誰も口を付けないクリの実が目立つ。北山辺りの登山道では、皮だけが残っている。

まずまずの斜度が続く二次林の道を登ると、日差しの溢れる草地などが現れる。そんなところに、煌めく様な白い花を開いたウメバチソウなどが点在する。好天のなせる事で、ところがこれらが好印象に繋がり、もう一度登りたい山になるのだ。山頂が近くなると樹木は太く立派になった。雪のせいか、素直なものは滅多にない、途中から四方八方に枝分かれした木々が目に付く。

放牧場の柵の痕を見て、1箇所ロープ場があった。これを超え、樹林の回廊を抜けた先から、笹と灌木だけの見晴らのし良い山腹となり、眼下に上斎原、北側一面に中国山地が拡がる。就中、西北の彼方に、左右に烏ヶ山と三鈷峰を従えた伯耆大山は白く輝く様に見え一際高い。直ぐ上に、三ヶ上の最高峰が見える。登山道には、先週は蕾だけだったリンドウがあっちこっち、そろそろ盛りを過ぎるアキノキリンソウ、名前は後で調べたものだが、ホクチアザミとヤマハハコが咲いている。

山頂の岩場越しに、賑やかな声の主を探すと、三角点のある南峰から戻る途中のおばさま方、ピークの役行者の下に置かれたザックは赤い。全周囲展望が可能なピークで暫し休息、抜ける風は涼しく展望は素晴らしい。とそこへ、一行のリーダらしきおば様が戻って来られて暫し歓談。松江から来られた一行であった。皆様がほぼ帰りの道を終えられる頃、もう一方の道を使って岩場を降りた。直ぐに登り返して南尾根を西へ、泉山で見たカワラナデシコはここでもチラホラ。

ピークから踏み跡は更に降り、樹林帯を抜けた草原に三角点はあった。最高峰に比べ展望は悪い。西から南側の展望しか無いところで、標高も30mほど低い。ザックを下ろして休息の間に妙齢の男性がお一人、話が弾むと、岡山県の山を収録したガイド本を出される。しかし三ヶ上は初めてだと仰る。アザミの写真を見せられて名前を聞かれた、この時点では「アザミ属」と云ってしまった。正しくは「トウヒレン属」で、好い加減を云いました、ごめんなさいm(__)m

男性を残して再び最高峰の岩場へ、太陽が眩しくて、けして無法を働こうとは思わないが、顔を背けて昼食休息。その間にも、次々と到着される方々は全てアベックである。降りに入って出会ったパーティも全てアベック、駐車地に戻ったところでスタートされた男性だけはソロであった。


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