■ 京都西山・地蔵山
・・・・2017年08月27日
2017.8.27

昨日から入れ替わった移動性高気圧のお陰で、日差しばかりは暑くても、木陰に入れば快適な気温。なによりも乾いた風のお陰で肌にベタつきが無い。快適さの所以である。いつもの広い路肩に行くと先行車がある、後ろに付けてもお尻が道に出る。空き家の先の路肩は作業車が2台、やむを得ず空き家の入口を塞ぐ格好で止めさせて頂いた。軽トラくらいは出入り可能な余地は残した。空き家に続く道は繁茂する夏草が覆っている。

歩き出した時点で23度、越畑集落に流れ込む疎水には殊の外勢いがあった。こぼれた水が狭い路地を伝い、下の家の池辺りに流れて行く。すぐ先に、陽だまりで寛ぐ子猫が1匹、怪しい者を見る様に路地裏に逃げていった。登山道出合にある家の子猫も同様で、そそくさと塀の中に消えて行った。小さなものに恐れられる人相だとは思っていないのだが、陽気の成せるワザ?。

芦見峠までの道は今日は暗かった。履いたように綺麗に露出した土のせいで黒グロとした道だ。強烈な雨が、落ち葉を綺麗に流したのだ。改修の済んだ崩壊地は別で、谷間への眺望も良くなり、明るい。しかしここでのんびりすると峠が遠くなる。そうではあるが、側のクサギの花に群れる黒いアゲハ蝶には興味がある。クロアゲハかジャコウアゲハか、少しも止まってくれないので特定はできかねる。

峠に着いて一服、日差しの無い木陰で、おや?、風が無い!、珍しい事に風が無い。鬱蒼と葉を繁らせた木々には艶があって夏の盛り、乾いた僅かな揺らぎに乗って、香ばしい匂いが流れてきた。木の匂い、湿った空気では感じない木肌の匂いだ。地蔵山への踏み跡に、今日のものらしいのが2つほど、気温は更に低くて17度、であるが汗は出る。斜度がキツくなる辺りではボロボロ、日差しの少ない溝状の道に、イノシシの夜間工事の跡が鮮明に残っている。

殆ど痕跡を留めないミッションコーラの看板のあった小屋跡を過ぎ、人口林を過ぎて急斜面を前にして驚いた。振り返れば北山への眺望も得られた辺りは茂る葉叢に塞がれ、展望どころか林床は薄暗い。度々来ていて知っていた積りでいたが、どこか違うような気がする。急斜面を過ぎアセビの林に入って確信した。斜面の広葉樹は成長している、アセビの森は更に大きくなった。登山道さえ、今ではどうにか通り抜けられる程に狭くなった。

山頂の西向地蔵様の周辺も、ほぼアセビに飲み込まれ、お地蔵様の領域も、年々狭くなりつつある。誰か、どうにかするのだろうか。お地蔵様の前でゼリーを食べた。敷地が狭くなったお陰で、立って食べざるを得ない。お地蔵様は、どう思っておられるやら、その表情からは読み取れない。無人の三角点に移動、ケルンの上に無造作に置かれた木彫り地蔵様、掲げた右腕を失い、片手だけのお姿ではあったが、お作りになったかたのお気持を想い、改めて確りとお座り頂いた。今暫く世の中をみて頂こう。

愛宕山方面に下り、反射板を過ぎたところで、妙齢のアベックに遭遇した。今日始めての人との出逢い。愛宕スキー場跡からジープ道に移動、ここでも単独ハイカーに遭遇、見晴らしの良い、風の抜ける辺りで寛いでおられた。ジープ道を下り、今では痕跡も留めない、谷川の古い参詣道の側で昼食、風のお陰で寒いほど、外界に下り、35度を超える猛暑が待っていようとは、この時は知る由もない。



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