■ 北摂・大野山-あじさい祭
・・・・2017年07月09日
2017.7.9

7月の第一週の日曜日は、いや、二週目の日曜日か、は、一年で一度、山頂で飲み食いの出来る日である。と、云いながら、そう楽に登れる訳ではない。大野山の標高は750ばかり、起点となる西軽井沢からは、高度差にして400程度、それくらいなら1時間ほどで登れるくらいだ。お目当ては、山頂直下の西側斜面に広がる満開のアジサイ、これにまつわるアジサイ祭り、当然の事ながら梅雨本番、今年も先週からは梅雨本番の高温・高湿度で、朝から雨がしたしる(下知る、とも書く)梅雨らしい日となった。

西軽井沢の登山口前に止まったバスから、しかっり山装備を身につけたオバ様がお二人、乗用車で乗りつけた男性がお二人ほど、登山口に消えるところだ。皆様は帽子だけで登って行かれた、が雨は時折強くもなる。傘をさして登り始めるとこれが、とんでもなく熱い。僅かに吹く風も、傘があっては届かないないのだ。川に沿った廃墟を拔ける頃から汗がボロボロ、山は全体が霧の中、登山道の少し先さえ白く濁って、で雨が落ちてくるから湿度は100。

滅多に濡れない膝のあたりもポツポツ、滲む汗が滲みだした。古道の脇はコアジサイが多いルートだ。これで幾らか気休めが出来た。ところが今年は、コアジサイの花が無い。葉を数枚付けた小さな株は幾らもある、が大きなものは全て枯れ、枯れてなくても葉が数えるばかりで花はない。ここは冬場は狩猟場所、鹿や猪の多いところ、考えられる結論は、芽吹いたばかりの葉を鹿に食べられた、と思われる。

ここのところ、鹿の食害ばかりが目について、彼らも相当に追い詰められているとしか思えない。少し先で、先行したオバ様方の声が響く。ここは少し距離を開けよう、手頃な松の根っこのある場所だった。根っこに腰掛け、暫く休むと汗が引く、気温は19度だから、けして熱い訳ではない。下方から、顔を紅潮させた男性が登って来られた。真面目に登って行かれる。

鹿について、少し考えた。こんな雨に濡れながら、腹を空かせ湿った草の上に寝て、これはおかしい?、こんな生き方は嫌だ!、と思う個体は無いのだろうか?。そうすれば、次第に肥大化する大脳のお陰で、人の様に暮らす事も可能になるのではないか?、そんな事が思われるのだ。すっかり冷えた体だったが、あるき始めて僅かに5分、俯いた顔からポタポタ。小さな谷を越えたところに先程の男性が休息中、汗を拭きつつ、いや〜熱くてね〜、お互い様です。

急斜面は古道に沿って尾根に出て、相変わらず霧が立ち込め何も見えない中、遠くからギターの様な音が聞こえる。山頂にも寄らず、綺麗に咲いたアジサイはチラとだけ見て、ギター片手に歌う人の前をテントまで直行、お目当てのたこ焼きとビール、え?、探せども探せども、小ジャガイモのフライには騙されるところであった、たこ焼きが無い〜〜。ショック!、やむを得ず、焼きそばとあまり冷えないビールを持って、雨のそぼ降る会場正面の愛宕神社の岩の上でムシャムシャ、美味しくない・・・。おまけにブヨに2・3発、痒い。

氷の様に冷えたビール、熱くて、口に入れても容易に食べられないたこ焼き、来年こそは、復活して頂けないものか?、お願い致します。奇跡的に、雨が上がった。ちょうど、雨やめ給え、の歌が流れた時であった(晴れ間を願う歌でした)。ブヨに食われるのは堪らないので、ビールと海苔巻きを調達して、明るくなった芝生の上へ移動した。アジサイの群落を背景にしているから、鑑賞したとも言えるポジションだ。山頂に登ると、件のソロの男性が降りて来られた、未だウロウロされるらしい。雨の無い間に降ろうか。


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