■ 若狭・長老ケ岳
・・・・2017年07月02日
2017.7.2

先週までの涼しさ、爽やかさは今日は無い。気温は23度でそれほどでもなさそうだが、エアコンの効いた車内を1歩出ると湿度の高い温気がまとわり付き、陽射しの中に立つと忽ち額に汗が滲む。梅雨空と同時にとうとう夏がやって来た〜。仏主の登山口には、この気象にも揺るがない4人のハイカーが準備中、彼らの後から単独男性、朝方の降雨で濡れた道を、確りした歩調で歩いて行かれた。

とわいえ歩き始めるとやはり、応える暑さだ。風のちっとも吹かない谷底を離れたら、それでも幾らか涼やかになるだろう。と想像を巡らしながら、キャンプ場への道をクネクネ、見下ろした林道脇に止めた車が1台、今日の長老はけっこう賑やかである。高度差250メートルは今日の場合、甚だ嚴しい道程であった。汗は溢れ目眩も伴い、木陰では涼しいとは云いながら風が無い。目を慰める花なども無く、鹿に蹂躙され、殆ど草花の無くなった林床が広がるばかり。これはなる程いかんな〜、とは、ふらつく足取りでやっと出た感慨。

数年前までのこの季節は、ホタルブクロやコアジサイやヤマアジサイや、その他数少ないこの季節の花が、暑苦しい中でもけっこう楽しめた。今はそんな草木は全く無い。ただ大きいだけのタケニグサとシダ類だけが繁茂し、だけど人でも食べるワラビは残っている。ワラビのアクは鹿には如何ともしがたいのか、妙なところに弱点がある。人気の無いキャンプ場管理棟の前は陽射しで酷い暑さだ。しかしここで小休止しないとこの後の斜面がキツい。

桜の木の下は木陰でちょっとだけ過ごし易い。こころなしか、僅かに風も感じられる。大分長く休んだ様だが汗が引かない。そろそろと尾根に向かって歩き出したところへ、暑苦しい唸りを上げて、車が1台、賑やかな声が響く。東屋の手前に北に開けた風の抜ける場所がある、元気そうな後続には先に行って貰おう。今日の様に苦しい日は、心置きなくゆっくり歩きたい。涼んでいると、やがて現れた男性とお2人の女性、僅かな葉叢の隙間から、綺麗な景色〜等と、展望を楽しんでおられる。

先に行かれて東屋で休息中、あまり遅くなっては天候も不安、本意ではなくともと暑い東屋に登ると先の方で声がする。長老の主尾根に着いたところで追い付いた、彼らの歩みは予想以上にゆっくりであった。2キロの道程は真面目に歩き汗だく、ピーク下の、ピンク色のヤマボウシの脇に敷物をしてお昼休息、北の空はまず明るい、が南の空から不穏な音と黒い雲。これは急がねば、と思ったところへピークからぞろぞろ、朝の4人と知らない2人、ソロの男性、そうしたところへ後続の3人がピークへ向かった。

ピークには避難小屋はあるので暫くは問題無い。周回すべく林道に乗ってやや小走り、なにせ雷は恐ろしい。強い雨が先乗りで後から雷鳴が襲う。傘があるので雨は大丈夫、雷は電線があるので避雷針の代わりになるはずだ、皆さんはどうしたろう?。鹿の届かない、高みに咲いたヤマアジサイは美しい色合いであった。林道から覗いた顔は、途中で雨にあった単独ハイカーの雨宿り。駐車地に戻って驚いた、後続には新たに、4台分の方々がおられたのだ。


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