■ 播磨・笠形山
・・・・2017年05月28日
2017.5.28

笠形山へはグリーンエコー笠形から登る、と言う事だけは知っていた。グリーンエコー笠形の沿道には、沢山の鯉のぼりが泳ぎ、国道から管理棟のある駐車場を超え、谷を挟んだ対岸の尾根まで続いている。今日の様に強力な陽射しに晒されれば、色などは相当に劣化するに違いない。といった心配の他、登山口の在り処が見つから無い。管理棟前の略図によれば、ずっと上に笠形山の絵があった。と言うことは、まだまだ続く道の先だろうか?、だけども、上に続く道脇には、関係者以外の侵入お断りの文字がある。

ここは穏当な措置として、管理棟のあるこの駐車場に車を止め、残りは歩いて行くのが良かろう。上にはキャンプ場などの施設があるらしい。かなり斜度のある舗装道路は暑い。ウッドハウスと言うコテージ村には、宿泊者以外の車は入れない。右側の視界が開け、有料施設の様子が少しだけ見えてきた。しかし道はまだまだ登っている。その側を、涼しい顔のおばさんの車が登って行く。いわゆる関係者には見えない車も登って行く。

先の方に、複数の車が駐車する中、登山装備を身に着けた方々が居るではないか?、しかし側の看板には、明らかに施設関係者以外の車の駐車を禁じる文言がある。ひょっとすると、登山は関係者の位置付けでも良かった?、尋ねるのもアホらしいので、いそいそと矢印の示す登山口に向かった。この状況下では抜かれてはいけない。ヒノキの樹林の中は涼しい、相応の斜度のある登山道ではあるが、今日のコンディションならまず抜かれまい。

落石注意の岩の斜面を抜け、滝への展望台分岐に差し掛かり、笠形山は左に続く道を行くらしいのだが、下方に人の気配は無い。思えば、皆さんは、滝コースを経由してここに至る道を進んで居たので、特別に早い訳でもなかったのだ。後で知ったお話し。暫く登ると山腹の巻道に入り、右側は切れているものの、斜度も無く至って順調な行程である。しかし良く考えれば、この程度の山を歩くために、わざわざ播磨まで来なくても良さそうなものだ。京都北山と差が無い。

谷川に沿うようになり傾斜も出て来た、が、谷川の川底は綺麗な1枚岩で、沖積土の厚さは50センチにも満たない。愈々核心部に近付いた証拠だろう、この先は、露出した岩場が続くに違い無い、と思ったのも束の間、涼しそうな川床を渡り、杉の樹林を登るようになった。ちょっと嚴しい登りではあるが、京都北山とかわらない。登り道が終るとやはり山腹の巻道が続き、水の滲み出す、谷川の源頭辺りの日溜まりに、綺麗に咲いたクリンソウが三々五々、色気の無い杉の林で、貴重なピンク色である。

殆ど見かけなかった羽虫が、俄に纏わり付くようになるといきなり尾根に飛び出し、山頂まで残り数百メートルとある。目の前に身軽そうな男性が現れ、結構嚴しい荒れた道を登りつつ四方山話。ツツジ科の灌木の中に、そろそろ咲きそうなベニドウダンが多い。屋根が見えると山頂に飛び出た。屋根は休息所、先行者が1人。北を見ると、段ヶ峰から千町ヶ峰は直ぐに分かった。もう雪が無いと言う氷ノ山は良く分からない。ヤマビルが出ると云う千ヶ峰は尾根続きでこの先にある筈であるが、これも不明瞭。など話す間に続々と到着されたおっちゃんおばちゃん登山隊の面々、中にはお若い方も含まれてはいた。

皆さんは山友らしく、久闊を云ったり冗談を云ったり、気のおけない間柄である事はよく分かる。お昼ご飯を広げながらの話が続く。その中に、滝コースの話が混じり、50メートルほどの鉄梯子があると言う。比べて、今日の行程はピクニックレベルだと云われた。それは認めるにやぶさかでは無い、が、梯子1本も同様ではないか、とは胸の内の事。食事も終わり、一足先に山頂を離れ、他にルートが無さそうなので、ピストンでも良かろう。


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