■ 播磨・段ヶ峰
・・・・2017年05月21日
2017.5.21

段ヶ峰は3回目、ゴルフ場側の、狭い登山口に並ぶ5台の車、ちょうど中央に1台分のスペースが空いている。以後の車は路肩に止める事になるだろうが、道の先には芝を扱う作業場があるだけで、今日は無人だ。

今日の天気は頗る付の上天気、萌え出したばかりの葉を透かして届く陽射しは暑い。ところが吹く風はヒンヤリとして、風さえあれば気持ちが良い。気持ちは良いが、この急登は応える。達磨ヶ峰まで凡そ400の登りだ。多少心配であったカヤトの背丈は未だ十分に低く、風も良く抜けるし、振り返ると背後の山並みが美しい。

重い身体も、尾根に付く頃には一汗かいて、幾分は軽く感じられる。巣材に事欠かない小鳥等は、盛んに鳴いて、子孫繁栄に余念がない。尾根から眺めた、向かいの尾根との間に広がる若葉の波は、筆舌に尽くし難いほどに素晴らしく、豊穣の海と言ったところ。尾根の樹木の柔らかい葉叢も、今日の好天に映え、触っても未だ柔らかさが感じられる。谷間に木魂するカッコウの鳴き声、空を悠然と飛ぶ二羽のトビ、どの様な確執があったのか、知る術は無いのだが、鳴いていたカッコウがいきなり飛び出て、二羽のトビのすぐ側を、弧を描いて飛び去った。

で、飛び去ったカッコウの鳴いていた辺りから、再び鳴き声が響き始めた。得をした別のカッコウがあった事になる。彼らも大変な時期である。小休止で降ろしたザックの先に、真っ赤な飾りを下げたベニドウダンを見つけた。途中で見たカマツカは未だ蕾で、ネジキも同じく蕾、ここまでで見た開いた花と云えばイチゴの類とスミレだけだった。残念ながら、ベニドウダンを見たのはここだけで、遂に他では見なかった。

広い山頂部に背の低い笹と小さなアセビだけが生えるフトウガ峰を正面に見ながら、登山道は杉の林に降っている。もし飛ぶ事さえ出来れば、この儘山頂まで飛ぶものを、鳥ならぬ身ではやむを得ない。などと思っているところへ、早々と、目指す段ヶ峰への往復を終えただろう二人が降って来られた。見たところ、ハイクというよりトレイルランを思わせる二人であった。

やっとフトウガ峰の山頂大地に乗った。アセビの若葉が薄く色付いて、全体では赤っぽい茶色と言った色彩に染まっている。これほど小さく、点々と生えるアセビは可愛くもある。尾根を埋め尽くすアセビは恐ろしい。ピーク三角点の側では、4人のお若いパーティが食事中、更に、下降ルートと段ヶ峰分岐の標識側では、長い髭を生やした男性が、カメラ機材などを傍らに陣取っている。

フトウガ峰も悪くは無い、が一般には、段ヶ峰へのルート途中のピークであって、目的地はあくまで段ヶ峰が普通だろうと思っている。ところが今日は、フトウガ峰に人が多い。目指す段ヶ峰ピークに人影らしきものが見えないのだ。その訳は降りで判明したが、この段階ではわからなかった。誰の姿も見えない段ヶ峰目指して山腹歩き、ここには影を宿す梢が無い、この頃には風も幾分熱を帯び、従ってとても暑い。

昼食休息は木陰の下が所望であった、が適当な場所が見つから無いまま、段ヶ峰ピーク。と、無人だと思われたピークに男性がいる。ならば第二ピークを占領しよう、第二ピークは2〜3メートル低いのだが、ちゃんと山標の設置されたピークには間違いないのだ。昼食休息は暑かった。既に黒いとは言いながら、これ以上焦げるのは本意では無い、軽度の火傷は尚更だ。と、そこへフトウガ峰の4人連れが現れた。第二ピークである事を告げ、本ピークは目の前である事を告げると去って行った。

暑いピークを離れ、一旦戻ったフトウガ峰分岐点、林道へのルートを降り始めたところへ現れた髭の男性、いつの間にかお若い女性の連れが出来、降るどころか、荷物を背負って登って行かれる、何で?。ここから急斜面を経て林道に降ったところの橋の上、千町峠方面から白い四駆が近付いて、中を覗くと4人の男性がいた。彼らは車を峠の側に置き、ここから登って周回したのだ。髭の男性は千町峠に車を置いての撮影会に間違いなかろう。今から1時間の道のりは、長いな〜。



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