■ 多紀アルプス・三嶽〜小金ケ岳
・・・・2017年04月02日
2017.4.2

車を止めた橋の上は、長らく利用させて頂いてはいるものの、クリンソウ人気で整備された、正規の駐車場に止めるのが正しい。橋の上は、集落への眺望、側に咲く梅・桜、川面を吹く風、何れを取っても正規駐車場より優れている。駐車場整備から数年を経た今日でも、橋の上から移動出来ないでいる。次回は、少し登った滝コースを登る予定だから、漸く移動する良い機会になるかも。

日差しは温かいものの、吹く風は強く冷たい。満開の梅の花は見頃を過ぎ、開くだけの桜はこの冷気では、重い枝を揺らすだけ。栗の林に満開のふきのとう、何処にも収穫の痕跡が無い。山奥の峠に向かう車が多い。ハイカーの姿は多く無い。杉林のプラ階段はうねうねと続く。この様に映るのは、体調が悪い?。グズグズしていると、後続の単独山ガール(おばさまかな?)が追い越して行かれた。

これではならぬので、後を追い掛け尾根までの厳しい路、ダブルストックであったがかなり早い。冷たい風が抜け、割合に順調に尾根に乗った、が、山ガの姿は終に見ない。平坦な路と斜度のある路は筋肉の使い方に違いがある。あまりに平坦な路が長く続くとせっかくのアイドリングも効が無い。斜度が出て来るとこれが倍ほども応える。クリンソウ自生地、芽が出たばかりで白菜の芽と同じだ、を過ぎると登り基調になる。

泉岳寺跡を過ぎると足元ばかりを見るようになる。山頂に向かう岩尾根は当然足の置き場に注意が行く。やはりこれではならぬので、折角の二本足歩行は、克り遠くを見る為の努力の結晶である。腰を伸ばし、顔を挙げて進まねば済まない。止む終えず、厳しい斜面の中程の、岩のテラスに寄らねばならん。前方に、展望が必要である。多少、俯く程度は許されよう。前方の視界は、人の能力の限界に等しい広さと精度が伴っている。前進もこの際、犠牲にせざるを得ない。前に進めば、岩場から落ちる。

下の方に、赤いヤッケがチラッと見えた。さ〜前進しようか。岩場が終わると山頂直下のヒノキの林。これを登って、久しぶりに山頂に出た。山頂は実に3度目、であったと思う、で、展望も良くなり電波の中継所も新しくなり、居心地の良いところに変わっていた。笹の無くなった西ケ岳へのルートを見たり、展望を確認したり、と、息を切らした赤いヤッケのお若い男性が到着した。ここを譲って、大タワ(峠)に下降を開始、笹の消えた、雪の消えた尾根や林床は落葉だけである。何か生えていないと、毛の抜けた動物のお腹の様に見えていけない。

もっとも、これ幸いとばかり、辺り一面に幼木を生やしたウリハダカエデは得意であろう。三岳・小金ヶ岳は石灰質の山である。鈴鹿の様に、珍しい草花があってもおかしくは無い。露岩の周囲を探してみたが、全て徒労、序に、降りの階段で右膝を痛めてしまった。直す術は無いものか。峠の駐車場は一杯で、オープンしたばかりのフォレストアドベンチャー、で良いと思う、の施設は超満員、杉林の中は人だらけ。暗い森は明るくなった。

小金ケ岳へのルートも、木屑が敷かれて綺麗になった。有難い途は、アドベンチャー用のロープが尽きるところで石と木の根のゴロゴロ途。元の途だとは云え冷たいな〜。尾根に登ると急斜面の坂が二つ、これが応える。これを越えると後は岩場、手を使えるから上を見る事が出来る。上を見ていると、岩角に咲く、小さな花等を発見する事も可能だ。が、今日の場合、既に絶滅したか時期が悪いのか、主たる岩場にそれが無い。小金ヶ岳ピークに時折湧き上がる賑やかな笑い声。そんなピーク下に、岩に張り付く小さい株が2つ3つ。


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