■ 多紀アルプス・御岳
・・・・2017年02月26日
2017.2.26

先週の多紀アルプスは、どこを見ても真っ白だった。あれから一週間、混雑する比良より、静かな山、と云うことで来た火打岩の橋の上、陽射しは温かく、お山の間から覗く空は真っ青、雪解け水を集めた川は賑やかに流れている。土手の辺りの青草は、雪の重みから開放され、やっと腰を伸ばし始めたばかり。道の脇で見たフキノトウは、土手には無い。そばの桜は如何にも早かろうが、梅の蕾もまだ固かった。

陽射しの中は温かくても、朝夕はまだ寒いらしい。登山口横の、お爺さんの家はひっそりとして、冬に閉じ込められた縁側に、生活の色が無い。道横の田圃の農機具の小屋は、雪の重みに耐え兼ねたのか、太いパイプ諸とも倒れていた。獣避けの柵を抜けると登山道に残る真新しい踏み跡。ここから尾根までが一番苦しい。プラ階段を登りつつ、背中に滲む汗の気持ち悪さ、地道になって、遂に顎から汗がポタポタ。

尾根上の、休息中の先行パーティの声が響く。急坂の途中で一枚脱いで、こざっぱりして登り着いた尾根上は静謐そのもの、風もなければ鳥も鳴かない。歩き易い古い道を歩くと、折れた松の枝があちこちに。加えて、寿命を迎えた松くい虫の被害木が道を塞ぐ。細い木の掃除は出来ても、太い倒木は刃物が必要だ。クリンソウの季節までには綺麗にかたが付くだろう。

調子良く歩くと先行パーティに追い付いた。お若い女性4名と最後尾を歩くガイド役の男性一人、道を譲って頂いて、こうなると、休息交じりの歩きは自ずと難しく、いつもの展望テラスまでは我慢しよう。平坦な道が終わり、斜度の出て来た登りはかなり厳しい。ピーク下から続く、岩場混じりの身上げる様な斜度は尚更だ。

青空の中、岩の展望テラスに近付くと、バリバリ、金属的な音が聞こえ、姿こそは確認出来ないものの、先行者の食事の音に違い無い。止む終えず、更に登って、小金ヶ岳を望む岩の上で小休止、汗が冷えると風が冷たい。後続のパーティは姿も声も無い。山頂直下は檜の林で、陽射しが無いので、酷く冷えた空気の溜まり場である。溶け残った雪はカチカチに氷っていた。

陽射しのあるピークでも冷たい風が吹き、温度計では-3度、とても留まるところでは無い。オオタワに降り始めると雪がある。クラストした雪は乗っても沈まない。全面にあるとアイゼンが必要になる。雪のエリアは直ぐに消え、斜度のある岩場を降り、直後に現れる木製階段を降ってオオタワの駐車場。車は3台、他には春を待つ小鳥の群れ。それに、新たに出来た、ロープのジャグルジムの前に停まった軽トラ1台。しかし今日はお休みであった。


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