■ 大峰・熊渡り〜日裏山
・・・・2016年12月24日
2016.12.25

国道309号の冬季閉鎖区間はどのあたりだろう?。雨あがりの川合を左折、管理釣り場となっている関係上、川迫川の相当上流まで通行が可能であると思われ、上手く行くと、熊渡りまで入れるかも?。みたらい渓谷の観光施設は明りが灯り、営業中ではあるが、駐車場に止まる車は無く、歩く人も無い。細いトンネルを越えた広い路肩に、釣り師だろうと思われる車が2台、その先に、冬季閉鎖の掲示板があった。閉鎖ゲートはもっと先らしいが、何処にあるとは明記されていない。併せて道路補修工事期間である事も記されていた。

ここから歩いても、熊渡りまで凡そ20分、歩き始めて気が付いた。周辺の山々の頂上辺りは白い。遠くの山々の真ん中辺りから上は真っ白だ。川の水量は多く、相当の雨量があったと思われ、とすれば、朝方近くから雪に変わった事になり、クリスマスソングの歌詞の様な状況下にある。

果たしで何者が演出したのだろう、大峰の神様だろうか?。何しろ、ここ1年以上のご無沙汰であった訳で、これは歓迎の意向だと解釈しておこう。それにしても、色の少ない光景ばかりで、川の流れの淀むあたりに、だらしなく背を見せるニジマスの群れ。釣り人は相手にすらされていない。

重機と工事関係者の並ぶ、恐ろしそうな崩壊地を抜け、熊渡りの駐車地に並ぶ車を見て驚いた。車が入っている事のみならず、もう余地は何処にも無い。最後尾の車は辛うじて止めてはいるが、夏場ならアウト判定もあり得る位置だ。で、4人のハイカーが準備の最中、大きなザックは泊まりを示している。お山でクリスマス、ザックの中のご馳走は何だろう?。

と云った関心事は置いといて、日帰り組は先を急ごう。熊渡りコースは距離こそは短縮できるものの、急傾斜の道が堪える。のみならず、登山口までの長い林道の荒れた路面、歩き辛いことこの上ない。良く見ると、軽トラらしい轍が残る。ゲートが設置されて後、始めて轍を確認した。今日の雪では、弥山川コースは無いだろうが、白川八丁入口に止まった軽トラ1台、まるで監視人の様ではないか。

大きくくの字書きながら登る人工林の中、登山道に雪が出てきて、尾根に出ると凡そ10センチ、先行者の踏み跡は直登ルートにも残り、夏場なら心臓が止まってしまう尾根直登へ進路をとった。今日の気温なら死ぬ気遣いは無い。あとは不平不満を堪えて歩くだけ、で距離の短縮が可能になるのだ。夏場はこれが難しい。

カナビキ尾根も残り少なくなると自然林が多くなる。この辺りのミズナラにナラ枯れは見えない。登山道横の巨大なミズナラの冬芽は元気だ。裸の枝先は全て霧氷が着いて白い。ガスで遠望は無い、陽射しが無いのがまことに惜しい。先行者の乱れた踏み跡にアイゼンが加わった。雪は20センチ程で氷は無い。気温はー2℃で風がないので耐えられる。

川合ルート出合までは何時もながら苦労する。どうにか楽な道を作ろうよ〜と思いながら、崖に続く踏み跡を辿ってしまう、来年こそは、谷から昇る楽コースを開拓しよう。川合コースに乗っても今日は休み無し、更に深くなった雪で辺りは真っ白で、巨大なブナはそのまま白いオブジェに変わっていた。この印象を伝えるのは容易ではない、奥行の伝達は殊に難しい、貧弱な装備ではなおさら。

頂仙岳の巻道に入って降りのハイカーと会うようになった。今日の巻道は長い。以前、霧氷の樹林越しに篠原集落を見ながら、一瞬だけ春の山河が見えた事がある。今日はガスで遠望は無い、が雲が切れると辺りは明るくなる。明るさは有り難い。落葉樹が切れてトウヒとシラビソに変わった、高崎横手だ。クリスマスツリーを探してみても、雪の多過ぎるツリーは見栄えが良く無い。

高崎横手から日裏山へ向かう。踏み跡も相当に多く、アイゼンも同様で、明星から八経を得て弥山に入る予定だろう。現在の気温は−6℃くらい。シラビソに覆われた日裏山ピークは静かで、エネルギー補給の間にも白い物が落ちて来る。フワフワの雪の下には地を厚く覆う苔があった。冬の山は忙しい、ゆっくりする間に体が冷える、冷えた手は痛みを伴い、手袋に入れても当分は痛む。

降りに入って、準備中であった方々が登って来られた。暑いマットが一番大きな荷物だ。幹を突付くゴジュウガラ、雪の上に足跡を残して移動するリス。もう少し降れば楽にやれそうなものだが、どうなんだろう。


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