■ 京都西山・地蔵山
・・・・2016年12月18日
2016.12.18

越畑はちょうど半年ぶり、昨年もこんな雪の景色の中を地蔵山に登った。日の短いこんな季節は、だいたい行動にパターンが出て来る。国道は完全閉鎖、前回の閉鎖から、これもまた半年程ではなかったか。対症療法では、こうした閉鎖が繰り返されるだけだろう。そろそろ抜本的な対策が必要だと思う。

迂回路を走りながら、山腹や平地の北側斜面に雪が残る。数日来の寒気で比良に降雪があったそうだが、今に残るこの辺りの降雪は5センチ程度、今日などは暖かくなる様だから、全て融けてしまうだろう。次は正月頃に降ってくれたら、ハイカーには都合が良い。

いつもの場所に車を止め、歩き始めた集落の道から、木組みの民芸品らしいものを作る工房が見えた。確かこの家は陶芸であったようだが定かには記憶していない。無人になって、庭先が荒れ放題になった近道はパス、正規ルートを歩くと立派なカメラを持ったおじさんがいる。風体から見ると近在の人らしい、がカメラは望遠の着いたプロのものだと思われ、庭などを覗いて、こちらには興味が無さそう。

庭先に出てきた黒い子猫三匹なら、モデルになり得るだろうか。芦見峠への道を辿ると、防獣ネットの扉が開けはなたれている。道にはトラックの轍の跡もあるし、愈々崩壊地の修復だろうか?、と思っている側を軽トラが登って行った。山腹に延々と張られたトラロープが見え、迂回路が出来ていた。崩壊の様子から見て、相当の高巻きがあると見た。

先行者の足跡を残す巻道は雪解けもあって、酷く泥濘んだ斜度のキツイルートであった。崩壊地の最上部を超える頃には汗が滴る。止めた足元の遥か下方、重機の側で打合せ中の工事の方々の姿があった。巻道が終わると馴染みのある峠への道、崩壊後は、倒木などの道の補修は一切無い。これで整備が進む、かも。そもそも、越畑にとって芦見疎水は最も重要な設備の一つである。峠ルートは疎水の一部である筈だ。

風の無い、温かい光に溢れた峠で小休止、目の前の北向き斜面は真っ白である。その斜面に残る先行者の足跡、泥濘は嫌なので、白い雪面に足跡を残した。樹林帯に入ると、落葉に埋まる登山道に雪は無い。長く登山道を塞いだ嘗ての売店の前の倒木も、半年の間に処分された。有り難い。暗い樹林帯の緩斜面が終ると真っ白い雪を纏った急斜面が待っている。

先行者の足跡が鮮明に残り、数えるとどうやら5人ほど、他に鳥も鳴かず雪面に残る動物の足跡も無い。人の靴底の模様を数えるのも慰めになる。急斜面を終えてアセビの林を越え、ピークの反射板跡地に着くと陽射しが溢れていた。西向地蔵様もどこか緩んだ顔に見える。足跡から見て、朝から相当数の人が訪れたらしい。お地蔵様も満足であろう。

賑やかな声の響く三角点に行くと、2〜3十人のおっちゃんおばちゃん登山隊の方々、背筋のしっかり伸びたその上は、確かにおばあちゃんであった。これは大変、ささ〜と通して貰って先に出た。賑やかな声が延々続く。愛宕山の手前でジープ道に下降、樒原に降りて周回するコースだ。MTBが一台、降って行って、やがて自転車抱えて戻って来られた。

途中の陽だまりでお昼を食べ、しかし風が出て来てやはり寒い。府道に下りて、樒原から越畑までのだんだん畑を見下ろしながらテクテク、と側の畑に舞い降りた鳥が1羽、たぶんチョウゲンボウに違いない。最小の鷹の仲間で、鳩ほどの大きさだ。畑から側の家の屋根に移り、再び畑に舞い降りて電柱に止まった。今日の暖かさで出てきた虫でも採っているのか。

帰りの車から、西の空に出た虹を見た。現れた位置や時間で、環天頂アークだと思われる。(16時頃、大阪市で幻日が観測されている、幻日かも知れない)上空の氷による太陽光の屈折で出来る虹である。チョウゲンボウとアーク、これは何の、どんな兆候と判断したら良いだろう?。


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