■ 丹波山地・長老ヶ岳
・・・・2016年12月04日
2016.12.4

そろそろ紅葉も終わりころ、午後からは雨が来るとの予報だし、行楽の車は少ないのでは、と思いながら酷い渋滞に遭った事が何度あったことか。やはりこの時期は高速を避け、地道を走って、そうだ丹波高原国定公園となった長老ヶ岳に行こう。未だに丹波高原とは果たしてどこであるのか、不明のままである。

仏主の登山口に入ると酷い泥濘状態、轍などから見ると、一時的な貯木場に使われているらしい。今日は休日であるから作業は無いだろうが、車は隅に置いたほうが憂いが無い。と言いつつほぼ定位置に停めさせて戴いた。と、そこへ現れた岐阜ナンバーの四駆3台、窓から顔を出して、未だ行けますよね〜、と聞く。見れば、おっちゃんおばちゃん登山隊の方々をギッシリ詰め込んだ車だ。!

岐阜とは、随分遠くから来られたものだ、これも国定公園指定の効果だろうか。「森の京都」の響きに込められた一種の魔力とも云えるだろう。水源地の前で少々ウロウロ、見つけたキャンプ場への道を、力強く登って行かれた。そこへ降って来た若者一人、随分早い帰還に関心しつつ、降って行く先を辿ると、葉を落とした透明な木々の向こうに赤い車が見えた。

そろそろ汗が滲み始めたキャンプ場への道、突然後ろから声を掛けられ、振り返ると赤い車の窓を開けた若者の顔、キャンプ場まで乗りませんか、と云う。いや、歩きます、と云うと、済まなそうな苦笑いを浮かべて、ゆっくり登って行った。ここをサボると登る価値が半減するのだ。汗の滲む上着を一枚脱いだくらいが、丁度よく感じる8度位の気温である。

動くものの無い集落への眺望は更に良く、車ではこの景観は見られない。目の前の林の向いに見えた尾根は、谷を隔てた山であった。賑やかな声が響く管理棟の上の尾根、駐車場に並べられた4台の車を見ながらクールダウン。夏場は生い茂る葉叢でまるで見えない山腹の様子は、目の前の山を透かしてその先の山の様子さえ見る事が出来てしまう程。

傘を指して歩いた暗いトンネルも今日は明るい。妙にあるき辛いのは、落葉に隠れたゴロゴロ石だ。それも尾根に乗ると歩き易く、夏なら灌木の林に、季節を間違えて咲くモチツツジは、唯一の艶めかしい色彩であった。午後からは雨の予報だが、雲間から陽射しが漏れるとやや暑いほど、吹く風は生温かく、枯木に咲く花も乾いて潤いが無い。

ちょっと林の中を散策して、登山道に戻ると大きな声が聞こえた。頭を出した長老ヶ岳ピーク方面からで、人工林に続くやや勾配のある道を登り詰めたところで、降って来たおっちゃんおばちゃん登山隊と出くわした。お昼は雨の心配の無い駐車場だろうか。それにしても数が多い、とても3台の車に分乗したとは思えない人数だ。一人残った若者はどうしたろう。今日もピークを避けた周回コースでは知る術が無い。路肩に一人立ち尽くす、ツチグリくんは見てたのかな?



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