■ 台高・高見山北尾根
・・・・2016年目04月30日
2016.5.1

たかすみ温泉の駐車場には家族連れや山ガール等の姿もあって、連休とあって何時もに増してハイカーが多い。次々に出発される方々を見ていると、どうも今日は杉の林を歩きたくない気分だ。高見山北側には立派な尾根があった事を覚えている、適当な地点から登れば周回も出来るだろう。上流に向って歩くと瀟洒なログハウスなどがあったり、ちょっとした別荘地になっている。ここを抜けた処に橋があって、谷川沿いに奥深そうな林道が続いている。

両側は杉の植林と川面だが、陽光が降り注ぎ頗る明るい。明るい道脇に立派な建物がある、どう見ても別荘だが電気がきていない。自家発電でも無さそうだし、目的は何だろう?。道は谷に沿って2つに別れている、高見山に近い右を選んで、暫く歩くと水源地らしい建物があって、その先で終わり。踏み跡ばかりはなおも続き、御杖村方面への古道の類だろうから、きっと平易な途に違い無い。

あちこち毀損しているのは近年の豪雨の所為で、どうにか歩く程度には問題なかろう。急斜面の山腹が迫ると、途らしくも見える踏み跡の様なものは谷川の中に続き、幅も広く高さのある滝なども出て来て、これを越えると愈々険しくなった。どうにか歩けるうちは良かったが、遂に右手の山腹に逃げるルートしか無く、斜度があるから数十メートル登ると一休み。それでも確かに道型であったから、出来れば途の行方を確認したいし、沢筋の岩場なら、花の姿もある事だって期待も出来よう。

谷は愈々急勾配、滝もあるし岩も多い、見上げると尾根まで未だかなりの高度差もある、残念ではあるが川と別れよう。山腹を進むと前方に一面のヤブが現れた。ヤブは辛いので左に振って、やっぱり沢の縁をぼちぼち、遂に苔生した一体の下から水の流れる音が聞こえ、これを最後に沢は消滅してしまった。下草の無い綺麗な斜面を進むと一気に展望が開け、確りした登山道に出会った。室生火山群、三峰山がよく見える。

少し登ると台高縦走路に出た、高見山の細い頂角が右手にある。暫く休みを入れ、陽だまりでぼんやり、今日は高見山は行きたくない。北尾根を行って、峠から林道に出るコースを行こう。下り始めて改めて見た登山道は綺麗で、眺望も素晴らしく木々も美しい。目の前のピークは登りたくない、と思っていると右手に巻道がある、但しちょっと斜度の険しい途である。

案内標識には桃俣へ下るコースとあった、適当な処で左の尾根に移る必要はあるだろうが、未だ先の事、と下り基調の途をどんどん下り、左側の大きな尾根を見て、え?、あんな尾根はなかった筈、ここで地図を確認、しまった下り過ぎてしまった、分岐点は既に過ぎている。距離はそれ程では無くても、登り返しは辛い。目指す尾根を見ながら歩くと巻道まで戻った。このピークは天狗山だ。結局巻かない方が良かったのだ。

天狗山ピークの標識を確認し、ロスした時間を取り戻すべく、アップダウンは出来るだけ巻きたいのだ。強い風で汗が冷えて少し寒い、着るとアップがあって暑くなる、ままならんのが常である、が、目の前に立ちはだかる岩は何?、と見た左手に巻道があった。けっこう思うように出来ている。有難い、けど途は細く高度もある、補助ロープのある危険箇所であった。船峯山通過、ピーク脇に天狗岩がある筈だが、今日は無視。

先に進むと大伐採地が開け、西側の展望が素晴らしい。山の雰囲気はしかし美しさが失われて当然良くない。ここらへんから降ると丁度林道の左分岐上部に当たるのだが、斜度は相当あるし、歩けるかどうか疑問が残る。これだけの伐採を行えば搬送用の道はある、降りる場所さえ選べば近道だ。カヤトの茂る辺りは茨も少ない、棘のある灌木は始末が悪い。

どうにかこうにか降って来られわしたが、棘や小さな滝や足元の不確かな斜面はおすすめ出来るコースでは無い。長い林道を歩いて朝の道と出会った。川の流れで洗った手は酷く痛い。


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