■ 比良・大津ワンゲル道〜釈迦岳
・・・・2016年01月11日
2016.1.11

長らく、と言っても半年あまり、比良にはご無沙汰であった。何と言う事もない、比良は余りにメジャーな山で、工夫がまるで無い事が何だか物足らない。それでも雪の季節は選択の余地が無いから比良で良かった、ところが今年は雪が無い。満杯の車の駐車場に降りそそぐ温かい陽射し、内心忸怩たる思いを残し、いきなり一枚脱いでのスタートだ。

雪の無い青ガレ等は詰まらないので、終えた後の満足感を考えたら、ワンゲル道ならまだ良しとしよう。歩き始めると愈々踏み跡が多くなった様に思われ、枯れ木等が塞ぐ荒れた道にも拘わらず、迂回して続く道は途切れ無い。少し登ると汗ばんできて、近江舞子の内湖辺りの眺望もあり、陽だまりでユックリ出来るのは雪の無いおかげ。

梢のコガラも山を降りること無く冬が越せる、かも知れず、思いのほか長いルートの落葉の上は春の温かさが続いた。漸く割れ石を積んだ砦を過ぎ、道が西側山腹にある事にもよるのだろうが、空気が冷たくなってきた。その後再び尾根芯を登るようになっても、やはり風は冷たい。細い急峻な尾根道が続くお陰で身体は熱いから、チラチラ落ちてくる雪の中でも寒くは無い。

二人ばかり下山のハイカーと出くわした、後ろの方には硬さが見えた。ここからは高度感のある崖状のコースで、イチョウガレ等は実際木の根っこだけが頼りの崖そのもの。その前に目の前の急坂が控えている、これは肉体的にも苦しいところで、降るとなると、なかなか高度感のあるところに違いない。

イチョウガレは四肢を使って登るので、事実上ここが一番辛い。登り終えると緑の全く無い、淡白な白っぽい岩肌のヤケ山のガレ場が見えた。大岩は緑でよりその存在感を増すのは大峰の鶏冠尾山も一緒である。イチョウガレを越えたあたりで氷点下、チラチラする雪は相変わらずで、もう温かい場所は何処にも無い。入れ替わりに、4名のパーティーが降って行かれた。予定外の行動の様で、ルートは良くは知らない様にも見えた。

釈迦岳ピークには3人のハイカーが歓談中であった。溶け残った雪がところどころ、アイゼンの方もおられたので、何処かに氷の着いたルートもあるらしい。ピークを降ってカラ岳の鞍部、温かいところで昼食をと思ったが、そんな場所は何処にも無い。弱い西風を避けて小休止、エネルギーを補給してケーブル跡のルートを降った。

ゴロゴロ石の多い、痛めた膝を庇いながらの下山、そうとうなお歳だと思われる男性が、思いっきり大又で、ノシノシ追い越し降って行かれた。その早いこと、小柄の人は膝への負担はないのだろうか?。距離は地図より随分長いだろうと思われるクネクネ曲がる途を約1時間、下界に近くなると汗が出る。先行者の背中が見えだして来ると、何処からか下山してくるハイカーがゾロゾロ、駐車場にも道にも溢れていた。


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