■ 北摂・半国山
・・・・2015年02月01日
2015.2.1

今日の山は降ったばかりの雪が枝葉を染め、量こそはそれほどでもないのは分かっていても、まず一流の冬景色と言って良い。宮前の駐車地に列ぶ車は何れも夏タイヤばかりで、これ以上も積もった日にはお手上げするしか無い車ばかりだ。

気温は氷点下、沿道の桜には既に花を開いたものがチラホラあって、寒いお山を降ってきたヤマガラ・シジュウカラ・ホオジロ等が盛んに啄んでいる。中には鳩よりやや小さいものもあったが名は知らない。頭の尖った鳥はカシラダカ、大きな群れを作って、近くの竹林を塒にしている、かどうだか、群れているのは間違いない。

寺までの道には雪が付いて、林床も木の幹も真っ白で明るい。よほど強い風が吹いたのだ。気温は−3度と氷点を下回り、ところが道横の池は全く凍っていない。何度か全面結氷を見ているが、それ程も冷えていたとも思われない。結氷には特殊なメカニズムがあるようだ。

水面で遊ぶカモを見て、登山口で暫し佇み、行くべきか戻るべきか、雑念を払って進む松の林のヒサカキの葉の雪、少し揺らすと構わず降り注ぐ。尾根に乗ってもそれ程も雪は増えず、山を鳴らす風に応えて粉雪が舞う。気温は−5度、しかし数字程は寒くない。

降ったばかりのサラサラの雪は足への負担はまるでない、が代わってよく滑った。北東尾根に乗ると、強い風は雪によって姿を現し、雪は尾根を斜に横切って波打っていた。波の高い処でも30センチ前後で、岩の多い辺りは要注意、不用意に足を乗せるといきなりズルっと行く。そんな登山道の先行者はキツネやリスである。

リスは時々地表に足跡を残し、キツネは木の根辺りを注意深く探るように歩いている。風に舞う雪は、そんな足跡を直ぐに消してしまうだろう。頂上下の切り開きも、雪雲の下で氷の世界だ。ここに至って気温は−7度とこの冬一番の冷え込みよう、雪の女王では無いけれども、ちっとも寒くない。

真っ暗な植林地も今日ばかりは全てが白くて明るい。大阪ルート出合で先行者の足跡が二つ、既にピストンの後であった。激しく流れる雪雲に青空が覗く一角があって、白濁する太陽の側を通過する時は下界にも明かりが漏れる。そんな一瞬がシャッターチャンスで、これを逃すと、如何に綺麗に出来た霧氷の森も、グレーの中に埋没してしまう。

足跡はピークのモニュメントを一周して降っていた。強風に晒されるピークは長く留まる処ではない。水を一口呑んで直ぐ下山、下りには斜度の少ない支尾根を選び、一瞬戻った陽射しの中に、松の実にぶら下がったヤマガラが一羽、ピーナツのひとつでもあれよかし。


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