■ 北摂・半国山
・・・・2015年01月18日
2015.1.18

途中の道路状況を思うと、不思議なほど雪が無い。畑や水の無い田圃には極薄くではあるが雪が残り、道路や家々の周辺に雪は全く見られない。見上げた半国山に続く、針葉樹主体の森にも雪の着いた景色は殆ど無い。相当高所の木々に僅かに載っているだけだ。

しかし金輪寺参道に入ると状況が変わり、雪は無くても竹や松から落ちてくる雫は殆ど雨と変わらない、そうして時々バサーと雪の塊が落ちてくる。気温はそれでも丁度0度、温かいのには違いない。

途中で車が1台登って行った。汗を拭きながら、横着な奴、などと思ってはいたが、登山口に止めた車から出て来られたお二人を見て心持ちが変わった。そろいの長靴スタイルに、お婆さんは真っ赤な傘、何とも微笑ましい。なるほど傘と云う手段もあったが面倒臭い、お爺さんも同様の輩だ。

お二人が松の斜面に消えて約10分、十分な距離を空けて登山口に入った。雨漏りはそれほどでもなく、傘はどうだろう?、滑りやすい上に倒木や何かを避けると必然藪に入る事になり、傘では歩けそうにない。尾根に抜けても雪はマダラ模様、その上にお二人の足跡がくっきりと残る。狭くて深くて急斜面の途が終ると陽射しがあって温かい。

気温はとみると、それでも−2度と温度計が云う。ヌメッとして濡れた背中が気持ち悪い。東西に風の抜ける細尾根で、とうとうお二人に追いついてしまった。こうなっては先に行かせて貰おう。積雪は5センチ程になり、誰も踏まない真っ白い雪面を踏むことは快感だ。そうした区間は直ぐに終わった、目の前に、地図を片手にした男性が降ってきたのだ。

半国山北東尾根に乗ると積雪は20センチくらいにも増え、踏み締めた雪の擦れる音が小気味良く響く。しかし二番煎じの無念さはどうしても蟠って残っていた。彼は途が分かっていなかったのか、尾根のやや広くなる辺りでは至るところに足跡を残していた。

山頂直下の伐採地に着いた、ここの広い雪面は無傷、−3度でコンディションも良い、ここに足跡を残したのは云うまでも無い。十分に満足してピークに向かった。陽の当たるピークに雪は僅か、強風で貯まる猶予が無かったのだ。暫く休んでお二人を待ったのだが、容易には現れない。地蔵山には雪雲があって、山腹は白い。

ピークを降り伐採地の前、お二人の長靴の足跡があって、音羽谷に降っている。車は登山口で音羽谷からはまともな途の無いルートでしか帰れない。ちょっと付いて歩いて見たら、風の来ない雪の中に、お二人の姿があった。雪の中でのお昼ご飯、さぞかし美味しい事だろう。またまた微笑ましい光景を見せて貰った。


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