■ 比良・大津ワンゲル道〜釈迦岳
・・・・2014年11月30日
2014.11.30

もう紅葉は殆ど終わりに近く、下界のモミジだけに葉が残る状態、そんな中でも正面谷を訪れるハイカーは後をたたず、ワンゲル道の側にも用意を終えた人待顔のハイカーを尻目に、可愛らしい愛犬と一緒に、木橋を渡って行く男性。気温は10度程度だが陽射しは相当に暑い。来週からは寒くなるようだから、こんな陽気のハイキングはこれが仕納になるだろう。

駐車車両の数は相当であったが、登山道に残る踏み跡はそれ程も無い。ワンゲル道は人気がないのかな?。このルートは最後がシンドイだけで、そこまでは凡そなだらかな道が続き、下界の喧騒も聞こえてくる休息に適したルートだ。

既に夏鳥は渡りを終え、ジュウイチ等は居ないけれども今日に限れば小鳥に元気がある。ウソの情け無い消え入るような鳴き声を、まるで叱るようなシジュウカラ。ウソにしてみれば、番で仲良く食事しているだけだなのだが、そのあいだ中心細い声でヒーヒー鳴く。コガラは立木の幹を忙しく登り降りしながら何やら云う。

シジュウカラは怒ったようにグチャグチャ云う。小春日和の今日一日を楽しむかのような小鳥達、来春を迎えるのはどれだろう。砦跡で休息中、静かな六人パーティが抜いていった。かなり苦しそうな方もおられたようだが、大人数にしては極め付きに静かであった。

尾根下のナラ枯れに、乾いて黒く変色したナメコがある。綺麗な黄色であれば獲っても良い。いよいよ苦しい辺りに差し掛かり、イチョウガレの下で、降ってくる男性を待った。降りに使った事は無かったが、随分ユックリと降りて来る。岩角と木の根が頼りの降りだから、そんなものかも知れないが、山慣れた感じで、昨日はテン泊であったようだ。

替わって登るイチョウガレ、少し木の根が減ったようにも思えるがどうだろう。上まで登るとヒーヒーである。ボソボソ聞こえてくるのは先のグループの声だと思われ、雲一つ無い空と裸の林床を伝って聴こえてくる。振り返ると琵琶湖はおろか、湖東の町並みや伊吹山辺まで明瞭だ。

釈迦岳下の木漏れ日、木の葉の無い木漏れ日はおかしいので日溜り、でオヤツを食べた。頭上にはやはり、ヒーヒー鳴くウソが食事中である。スズメ科の鳥だからふっくらして可愛い。手のひらに乗ったらもっと可愛いのだが、惜しい。

釈迦岳ピークでは、先のグループがバラバラに分かれて食事中であった。どうも静かに過ぎると思っていたが、それ程も親しくは無いとみた。楽しい筈の食事ですら離れ離れで静かな仲良しもなかろう。

ピークを通過してカラ岳に向かった。尾根を覆う樹木に葉がないので、ガリバー旅行村から東の遠望が可能である。6月頃は雲に覆われて殆ど見えた記憶が無い。カラ岳の無線中継所では、冬支度だろうか、三人の方が作業中であった。暫くしてヘリがやって来ては荷物を吊り下げて降りて行く。

その早いこと、思わず「GoodJob!」。ヘリの爆音が轟く中、尾根のナメコ等を観察しつつ、ブラブラ歩く後ろから、例の六人組が、静かに追い抜き追い越していった。あれで楽しいのかな?。北比良峠は草モミジの暖色の中、南からの風さえ届かなければ極めて温かい、途中で拾ったバッタを放して昼食タイム。

そろそろ武奈ヶ岳あたりからのハイカーも戻ってきて賑やかになった。あれ程晴れ渡った空に陰りが出て、これは予報のとおり、夕方ころから崩れるのだろう。


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