■ 台高・明神岳
・・・・2014年09月14日
2014.9.15

探しものはなんですか〜♪見つけにくいものですか〜♪
久しぶりに、湿度の低い涼しい風が抜ける大又の駐車場、どうやら今年に限っては、このまますんなり秋に移行するらしい。こうした天気を歓迎して、朝早くから相当の車がある。一部の車の窓には夜露があるので、彼らは既に山中にある。

用意に忙しい隣のアベック、パンパンのザックの後ろに未だ相当の荷物が残されていた。暫くは荷物との格闘が続くだろう。ほぼ同時に歩き始めた男性のザックも随分膨らんでいる。涼しい林道脇の暗がりにツリフネソウが咲いている。薄白い大きめの花を提げた様子は幽霊のよう。同じツリフネでも黄色い花では賑やかさがある。

盆には咲いていたクサアジサイは花期を終え、シワ皺の茶色いゴミに変わっていた。急坂を終えると林道の終点、汗を吹きつつ谷川を見ると、運良く釣り針から逃れたヤマメが2尾、大きい方が流心に近く小さい方はその後方、流れにあわせ揺れている。水は少なめで落ち着いた光景だ、豪雨の心配も暫くはあるまい。

最初の渡渉地点を過ぎ、降ってきた男性が1人、折角のテント泊なのに実にもったいない。以後、単独のハイカーがぼちぼち降って来られる。滝の巻道を越えると上の方で賑やかな声がする。見上げたつづら折れの途を、カラフルな服装の女性を含むパーティが登っていく。ここまで来ると遠望も可能になり、登ってきた谷が一望出来る。

水場に着いて、顔を洗い失った水を補給する傍らに、色の薄い、これもまた幽霊のようなトリカブトが咲いていた。石ゴロゴロの途を明神平に昇ると先ず、色鮮やかなテントが数張り目に飛び込み、不在のあるじは何処にも見えない。東側の樹林の中にも3張りあって、やはり人の姿は何処にも無かった。

水無山の東側斜面には巨木の森があって、しかし斜度がキツイので徘徊するには適当では無い。奥山谷の源頭に移動すると、谷川から人の声が聞こえてきた。更に東に移動してウロウロ、すると目の前の一角に昼食中のグループがある。この時期の樹林の中で目的とするところは同じ筈、更に東に移動した谷の下からも明るい声が響いてきた。数名規模の捜索隊だと思われ、残るは南の明神岳方面しかない。

地図では緩やかな傾斜地も、実際に歩くと谷あり尾根ありで結構疲れる。近くの林床で子鹿の鳴き声を聞いた。人が多くて親のもとに帰れないでいるらしい。ピークの稜線を、大きなザックを担いだ真面目なハイカーが往来する。それにしても人が多い。

収穫もなくウロウロする間に、下山の時間が近付いてきた。登山道に出て見下ろした明神平の馬酔木山荘の扉は開いている。ベランダに立ち、オーイオーイと呼ぶ彼は、或いは顧問の先生か?、まるで何処かの旅行村の雰囲気だ。今日の山に留まる人はかなりの数に登るだろう。ちょっと寒いくらいの山中に、焚き火の炎が賑やかに違い無い。


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