■ 北摂・半国山
・・・・2014年09月07日
2014.9.7

公民館の前の土手には、涼し気な、色鮮やかなツユクサの群落が風に揺れ、そろそろ色付き始めた背景の稲穂を見ていると、嘗ての夏はこうであったと思われてならない。山の端の上の白い雲と青空は、燃え付く程の熱はもう無い。やっと夏が来た、証拠は幾らもあって、ミンミンゼミとツクツクボウシの大合唱は辺りを埋め尽くす程の勢いがある。

揺れる草穂の先に泊まったトンボはアキアカネであった。山の上が涼しい証拠だ。などと安心していると、焦げ付く陽射しが戻って来たりするから恐ろしい。谷川に沿った林道を暫く歩くと溜池がある。2羽のアオサギが上空を舞い、何事だろうと水面を見ると、鏡の様に静かな池の中程を、悠々と泳ぐ魚影がある。相当に大きいので鳥との関係は無さそうだ。それにしても、近頃の降雨とはまるで関連が無い事の様に水は少ない。

平和な池を見て再び林道歩き、大阪府下でのカエンタケのニュースを思い出していると、道のセメントの隙間を縫って、ド根性カエンタケが1本、生え出していたのだ。その根性を褒めて良いやら、脅威とすべきものやら、どちらにせよ目の前にある。触っても酷い炎症を起こすらしい、況や食すなどはもっての他、とてもそんな感じではない。

喜んでいても仕様が無い、間違いなく近場にも生息するのを確認した。何時もの水場に立つと水が多い。川にも池にも水は少なめであったが、何故にここら辺りだけに水が多いのか?,尾根の北側斜面限定の降雨と考えれば得心がいく。その他は切り捨て。

風が無いのでまことに暑い、登山道に入っても風が無い。気温はそれ程も高くないが湿度は相当に高い。一休みカーブで例の如く石に腰掛けても陽射しが暑い。ヤマオオクロアリは元気であった。そこからは黙々と歩みを勧め、半国の北東尾根に乗る辺りから、グンと気温が低下した。加えて湿度も低く、結構快適な山歩きになった。

数本しか確認出来ていないイヌブナの林で、おば様方三名のパーティと出くわした。とても元気な方々であった。周回コースを辿ったようである。急な下りで、滑って臀を打たないように祈って差し上げたが、どうだったろう。ピーク手前の切り開きに到着、温度計を見ると何と17度、確かに、濡れた服では寒かったのだ。枯木色の陽だまりで、黄色い5弁の花を点けたオトギリソウが紅一点、この高みに進出したミンミンゼミとツクツクボウシの鳴き声の中で揺れていた。


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