■ 京都西山・地蔵山
・・・・2014年08月31日
2014.8.31

越畑への国道は未だに全面通行止、国が管理者であるから、好い加減なところで、道を放棄するとも考え難いのだが、何時までも復旧しないと、ついつい芦見林道の二の舞いを想像してしまった。

国道より広い立派な迂回路を経て越畑に着いた。天気はまずまず、午前中は持つだろう。途中に葡萄の直売所があるらしい、蕎麦屋さんの多角経営だろうか。何れにしても、そんな季節になってしまった。気温は23度と涼しく、もう秋が来ても良い頃ではあるがそうも行くまい。下手に慣れると、後の暑さでやられて仕舞うだろう。近頃の太平洋高気圧は恐ろしい。

用意も出来て集落の小径を歩くと、大きくなったリンゴは畑にあり、道端にはヤマジノホトトギスなどの秋の野草が咲き始めていた。しかしこの花はどうも異形の部類に入ると思われ、イワタバコ同様、凡そ可愛らしい等と思った事がない。猪の夜間道路工事のあった、撒き散らされた湿った腐葉土を見下ろしながら、峠に着いた。

ぬける風は涼しく、勿体無くも、汗が冷えると寒くなった。地蔵山へ向かう途も猪のテリトリー、万遍なく掘り返されてはいるが、近頃の集中豪雨により、水の流れた跡は硬い地面の露出があって、そこに腐葉土は無い。ミミズや昆虫の幼虫が流れては猪には切実な損害である。

茶店跡、と思っている、近くの松の枯れ木が幾重にも途を塞ぐ辺で異臭がただ寄っていた。鹿だとは思うがおぞましい物は見ない方が賢明だ。軽い体のお陰で最後の急斜面までは極めてスムースに移動、ここで小休止を入れ一服、ツクツクボウシが賑やかに鳴き、如何にも夏の終わりの風情がある。

がしかし太平洋高気圧には騙されてはいけない。暫くすると夏は再びやって来る筈である。急斜面では充分な汗をかかせて貰った。見上げた空には怪しい黒雲、向かう馬酔木の林の暗いことは、何やら妖怪変化でも出てきそうな雰囲気である。林を抜けると明るい反射板跡地、冷たいおやつでまた体を冷やした。

日に晒されたお地蔵さんの涎掛けは余り良く無い。真っ白な雪面に映える真っ赤な涎掛けは際立っていた。三角点では小さな木彫地蔵さんが健在であった。これで帰るのも味気ない、愛宕山まで辿るみち筋を、ダブルストックのおじいさんが帰る。峠までの登山道に残る唯一の先行者はダブルストックであった。

愛宕山三角点はこれが二度目である。実際のピークは神社の中で、容易に立ち入れ無いそうだ。であるから、900に満たないこのピークは替りである。そんな表記は適正だと言えるのだろうか。京都平野を観察中、いやに息遣いの荒い男性がピークに立った。と、小さな雨粒が落ちて来た。そろそろ降りる時間だ。

10点、10点、10点、コマネチ!!!



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