■ 大峰・川合〜天女の舞〜日裏山
・・・・2014年07月20日
2014.7.21

時刻は14時で天川村役場の駐車場、スッキリと晴れ渡る空とは言えないが、青い空と強力な日差しがあって、駐車場の沢山の車を見ても分かるように、涼し気な河原は、子供達の歓喜の声が溢れ、グランドでは、何かの競技が始まるらしい。車の横に設営したテントで休む人さえある。

世は正に三連休、または夏休みか。弥山までは7時間らしいが、過去の記録では往復12時間であったから、4時間くらいで日裏山までは行ける予定だ。歩き始めて湿度が高い、一雨あった後らしい。天川を見下ろす鉄塔の下まで20分、今日の荷物ならこんなところか。

坪内からの林道は、3年前の大雨で、大きく毀損してから補修が済んだ話は聞かない。登山者の多くは、天川からの長いこのコースか熊渡りコースか、最も多いのはトンネル西口からだ。特に今は大峰レンゲの季節で、撮影に訪れるカメラマンも少なく無い。

斜度が緩いと云いながらも、肩に食い込む程の荷を背負って、自虐としか表現しようのないこの様な事を、大峰の神様はどう思われただろう。遠い、ガスで見えない西の方の空で、不穏な轟が聞こえてくる。ショートカットすべく、坪内林道に差し掛かった頃には、急速に近づく轟は、西と云わず南と云わず、目の前の、高野辻あたりでも鳴り出した。

もともと雷が怖い上に、3年前の大水害の時、河原小屋が流された時、大雨の河原小屋から頂仙岳まで攀じ登り、濁流となった登山道を降り、谷から溢れそうな真っ白い激流を見ながらカナビキ尾根を降った記憶がある。その様な記憶があと2〜3、集中豪雨は怖ろしいのだ。

辺りにはガスが立ち込め、時刻より早く暗くなった。予想される雨への対策としては、ささやかなものしかない。即ち、即刻テントを張って明日の朝まで大人しくする事だ。テントを張るならまず尾根に上がりたい。北側では雷も鳴って無いようだし、上手くするともう少し頑張れる可能性もあるだろう。で、尾根に登るところを間違えて、道のない急斜面を攀じ登り、一番高い位置で登山道に飛び出した。

相当の体力を無駄に消耗した、反省。雨はまだ来ない、もう暫く歩くと栃尾辻、といった辺りで降りのアベックと出会った。山慣れたようにも見えないしこの時間では、暗くなってからの下山になっただろう。こちらも似たようなもので、17時になってやっと栃尾辻に着いた。

どれだけ頑張ってもあと2時間は掛かる、雨は心配だし、濃いガスで愈々暗い。そこで思い出したのが天女の舞、天女の舞というらしいが、北に開けた良い展望と天然のブナが美しい場所だ。一夜をするには遜色ない。そうと決まれば登山道を離れ、一直線に尾根に上がればガスで遠望の無い天女の舞だ。テントを貼りながら、大変な数のブヨには閉口であった。3箇所ほど噛まれたが、今のところ腫れは少ない。

水を求めて谷に降り、出てきたばかりの冷水を持って帰ると合わせたように暗くなった。なかなか火の付かない小枝で暖を取り、火の光も、5メートル離れると霞む濃いガスの流れるこの台地、9時頃には見えてきた星空を見上げ、仏法僧の声を聞きながら夜は更けた。

翌日の朝は良く晴れて、残した行程を6時半頃から再開し、テント等を残して回った大峰の彼方此方、お昼前には再び雨模様、何とか無事にテントを回収、混み合う前に帰路に着いた。


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