今週は少し腰が痛かったし、今は鼻がモゾモゾ、風邪気もあるようだし、ここらで厳しい修行コースへ行ってみよう。厳しいコースと云えば大峰クマ渡りから八経ガ岳か、比良の明王院コースから武奈ヶ岳か、鍛えに行くのだから近い方が都合が良い、よって比良は坊村の明王院まえ。
ちょうどバスが着いたところで、賑やかな装いの皆様がゾロゾロと降車中、明王院側に空きがあろうはずもないので、橋を渡って少年自然の家の駐車場に入った。既に半分は埋まっていて、恐らく全て登山関係の車だろう。準備は出来ている様だが、興奮抑え難い様子の沢登りスタイルのパーティが二組。
沢登りは装備装束何れをとっても華があって羨ましい、その上汗もかかずお洒落である。しかし今更沢登りもあるまいから、やや色褪せた装束に続き、明王院の裏へ進む。そこに居た山ガールの皆様の装いもまずまずである。
が今日は修行に赴いたので、山ガールのおば様方?に流行りのファッションを教えて頂く暇はないのだ。颯爽と皆様を抜き去り、朝方の雨で泥濘む登山道に取り付いて、黙々と登る厳しい斜度の先に若者が三人、ファッションに疎い三人とあっては、何処まで持つだろうかと後に付けたが、余りに呆気なく早々の休息、仮説の通り、口は滑らかであった。
最初の急登を終えた緩斜面に、張り付くように登る人ヒトひと。ここはかなりキツイコースと考えているのだが、どうにも自信がグラ付いてくる。少し先を歩くおば様方は、暑いね、等と云いながら、下界の噂で口は滑らか、歩くだけでも辛い苦行、口など開く余裕は無いのだ。
泥の登山道を見ながら考えたのだが、おば様方にとっての下界の噂は、まだ知らないエネルギー供給メカニズムらしい。そうであるとしても恐るべき体力。おば様方の休息に合わせて小休止、ちょっと止まってお先に失礼、尾根まではともかく一気に登った。気温20度、風は5メートル、体感温度15度は涼しい。
夏道と別れて尾根道に入った。今日の修行は無事に終わった、あとは余分であるからふらふらでも良かろう。無人の尾根でゆっくりして、御殿山ピークに行くとササユリが咲いていた。ササユリや、周囲の山の様子を、無心にスマホに収める男性の前に、ワサビ峠に降り始めた件のおば様方、降りの格好は今一つだな〜と見た直後、お一人の方が滑ってお尻を打った。
気丈にも直ぐに立って歩き出したが、あれは相当痛そうだった。がしかし、直ぐに始まるおしゃべり治療、恐るべきエネルギーだ。梅雨の合間だけあって、西南稜は雲の下、時々射し込む僅かな陽光の中、満開のコアジサイが続き、ササユリも更に数本、人の群れは容易に絶えそうに無い。
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