■ 若狭・長老ヶ岳
・・・・2014年06月08日
2014.6.8

今日は雨が降る事も覚悟の上、長老ヶ岳は雨の季節に訪れる事が多い。雲は多いが空は明るく、薄い雲間から漏れる光は強力だ。林道を離れ、キャンプ場のある尾根からピークを経て、林道を降ってくる周回コース。

何処にも難の無いお散歩コースである。整備されたキャンプ場までの道程、仏主集落を眼下に出来る展望の拓けた場所がある。以前、ツチグリのダイブを見た場所だ。人に飛ぶ能力が無いことは承知だが、鳥の様に飛びたい等と云う歌は多く、ここでもやはり飛びたい衝動に駆られた。この種の想いは人類共通の憧憬と云えるだろう。しかし落ちたら痛い。

無人の管理棟で小休止の後、次は展望台跡まで樹林のトンネルを抜ける。台風で吹っ飛んだ展望台跡は暑い。松が主体で光を遮る葉叢が無い。谷間に響く無数の鳥の囀り、鳥笛を鳴らしても、懸命に鳴く鳥には一顧に値しないらしい。

次は展望の良くなった東屋まで、適度に木陰はあるし風も拔ける。今日は湿度が高くて蒸し暑いのだ。知らない間に梅雨入りしたらしいから止むを得ない。東屋の前ではウグイスの囀りの真っ最中、幾ら賑やかでも、オオルリの様に高みに陣取り他を睥睨する様な事は無いのだ。藪の中のウグイスを見出すのは難しい。

東屋は実に快適な場所であった。乾いてひんやりした風のぬける展望の良い場所はそう多くない。畳一枚、板でも良いが、と、冷えたビールとオツマミがあれば1日くらいはいても良い。雨の為にはカーテンは欲しいところ。夜露を防ぐ窓の設備も欲しい。

というような妄想は際限が無い。次は長老ヶ岳ピークまで、残り2キロを歩くのみ。ナツツバキの花は下からは全く見えない。上から見ると、ゲンコツの様な蕾があった。注意はあくまで上の生き物で、我々などは眼中に無い。が、ときおり零す花を観て、風流等と云う、ものの哀れという。ん〜〜この構図は如何に。

電波の中継所のあるピーク下は、一部植林地もあって、折しもちょうど南中の時であったから、木陰が出来ないので甚だ暑かった。その分、最後の階段を登り、木陰の下にシートを敷いて見た、美山の町などを散りばめた景色は申し分が無い。俄に黒雲が広がり出したピークで小一時間、最後に小雨ほどはあったものの、濡れるような事も無く、ホオやトチの花を見て、モミジイチゴを頂きながらの平和な道のりであった。


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