■ 比良・大津ワンゲル道〜釈迦岳
・・・・2014年06月01
2014.6.1

比良が賑やかになって始めて歩く。比良駅からのバスの運行が再開され、イン谷口跡にバス停が出来た。朝は兎に角時間を稼ぎたいからバスは有り難いに決まっている。帰りは三々五々、火照りの残る道をテクテク歩くのも余興のひとつだ。

ワンゲル道登山口に車は5・6台、バス復活の事もあって、嘗ての賑が復活した様に思われる。加えて今日はまるで夏、湖を騒がすモータの音は辺り一面に木霊し、額の汗が落ちる頃には、すっかり盛夏の雰囲気に飲まれてしまった。

登山道側の木陰には、風に震える背の低いシライトソウ、賑やかな鳥の声に、下手なジュウイチナ等の夏鳥の囀りが混じって、あ〜まだ6月だった、と思うのだ。かなり真面目に歩いたつもりであったが、先行者の背中は一向に見えて来ない。相当お早い出発であったらしい。細尾根に差し掛かり、涼風に吹かれて一休み、遠くの山並みは霞が掛かって良くは見えない、が近くのヤケオ山の樹林の柔らかな様子、日に映える若葉は見事だ。

オオルリの声は様々に聞こえる。その様に聞かせたいとやっているのだから当然だが、他種の声を上手に真似る様子は同族にのみ働き掛けるものだろうか?、ジュウイチナの真似などは、侮辱嘲笑の類にしか聞こえなかった。肝心のジュウイチナはどうだったろう?。それにしても酷い不協和音だ、と思ったら。だみ声の主は数羽のカケスであった。カケス、邪魔をしてはいかんな〜。

釈迦岳のピークあたりが、細尾根の上辺りに見え始め、花を落したシャクナゲの代わりに、米粒よりやや大きい位のベニドウダンが出迎えだ。イチョウガレで一気に高度を稼いだ先には、アカモノの小さいけれども群落もあって、ピンク色の帽子の下に真白な花を付け、陽射しに焼けた岩の上で、心地良げに風に吹かれているのだ。

何もそんな不自由なところで無くとも、と思いたくなる様な過酷な地表を好む植物がある。我々より遥かに長い試行錯誤の持ち主たちだ。絶滅か棲み分けか。そんなアカモノに木陰を提供するのはサラサドウダン、今年もまた物凄い事になっていて、見上げると、薄い朱色に染まった1センチほどの花花花だ。

鋭く口を開けた崩壊地を駆け上がる風に吹かれて小休止、尾根に出てからの歩みはノロい。そろそろ後続があっても良い頃だ。旧リフト下の道は直ぐ上で出合うし、何時も聞こえる賑やかな囀りは、と聞き耳を立てても辺りに声はない。

そうか、強烈な陽射しに恐れをなしたのか!、おば様方は。しかし、ほおかむりで歩くおば様方の姿はごく普通に見られた光景ではあったが、この時期の紫外線と今日の高温は予定外か?。かく、考察を致している間に、後続の男性が一人現れて、極々緩やかな足取りでピークに消えて行かれた。

触ると、サラサラと音を立てそうなサラサドウダン、ベニドウダンの花の下であった。件の男性とは、ピークから少しカラ岳に移動した辺りで花の話をした。立派なカメラを持ち、花を見上げて、4月中頃に来たいと云われた。カマツカやウワミズザクラ等の白い花も咲きだしたばかりだ。



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